ハンスウ

コンボイのハンスウのレビュー・感想・評価

コンボイ(1978年製作の映画)
4.0
有名なタイトルですけどなぜ今まで観なかったんだろう……これは初めて観ました。よく作ったなあという印象が強いです。ジャケットがなんか今風になちゃっててちょっと違うんですけど、こんなスタイリッシュな感じじゃなくてもっと泥臭い汗臭い男臭い映画なんですよね。女性キャラも出ることは出るけど男が昔ながらな感じの男なんですよ。そんな男の世界を監督したのがサム・ペキンパー監督。あのスローモーションを上手に使う人です。

出演者もおもしろい人たちばかり。ヒロインの人がベアトップ姿でまた広げながら車運転して登場するんですけど、なんかで見たことあるんだけどまったく思い出せなくて。中盤ではノーブラでシャツ着たままシャワーを浴びたりするシーンもある。そんな奔放なキャラですけど見終わった後で調べたら「ある愛の詩」でヒロインをやって人で「愛とは決して後悔しないことよ」っていうセリフ言うアリ・マッグローでした。あれだけの純愛を演じてた人がこの映画ではノーブラです。ノーブラ、ノーブラってしつこいですね。失礼しました😅

あとはロッキーシリーズのバート・ヤング。それからアカデミー賞受賞作「マーティ」のアーネスト・ボーグナイン。この人は「ワイルドバンチ」にも出てます。監督のお気に入りなんですかね。主役はクリス・クリストファーソンも見たことあるようなないようなと思ってたらスコセッシの「アリスの恋」という初期作品で見たことありました。確かDV男の役だったような感じだったと思う。そういう地味ながら実に渋いメンツのそろった、その顔を眺めるだけでも見応えがあります。

映画はね、要はトランクの運転手が保安官と揉め事を起こして最初は違反の取り締まり程度だったのが暴力沙汰へとエスカレートしていきどんどんどんどん話が大きくなっていく。それこそ知事の登場から軍隊まで出動かという騒ぎになっていくという、まあ、そんなストーリーですけど、それを大型トラックの大迫力映像でアクションをやってるんですよね。これは普通に映画館案件だったでしょうね。映画館で見れば映像や音がすごかったんだと思います。アクションっていったってトラックだから直進で家を壊すとか、それぐらいしかできないんですよ。スピード出してカーブ曲がるとすぐ倒れちゃうだろうから直進しかできない。最初は4台くらいだったトラックがどんどん集まってきて数十台ほどに増えるとこは見ものでしたけど、あと工夫としては舗装されていない道路を猛スピードでトラックが走るんですよね。パトカーとの追跡劇になるんだけど、車高の低いセダンだと砂埃に消えてしまうほどのひどい未舗装道路を走るシーンなので見応えがありました。

この映画は年代が年代だから当然CGもVFXもない。それでもこれだけのものを作ってたんだと言うことに驚かされます。こういうのは今でもできるはずなのになんでやらないんでしょうね。はい、もっと早く観ればよかったヤツでした。
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