このレビューはネタバレを含みます
爪弾きの風来坊銀次が面倒見の良い仙太郎とともに故郷に帰ることになるノワール風味のアンチ時代劇。仙太郎が結局一度も刀を使わないのが面白い。
作品を覆う不思議な雰囲気。色んな箇所で予想を裏切る動き。と…
加藤泰らしい視覚的な遊戯性に満ちた秀作。中村錦之助と三國連太郎がチャンバラしながらチェイスする冒頭から心躍る。立ち去る錦之助を追いかけようとした三國が、長時間の正座で脚が痺れて勢いのまま転がる鮮やか…
>>続きを読む出演者全員すっぴんで有名な本作だが、錦ちゃん演じる銀次は渡世の経験が浅く幼稚で素直になれない場当たり的な不良で、それとは逆にユーモラスがあって分別のある三國連太郎演じる仙太郎がやたらと銀次を庇うもん…
>>続きを読む話自体はそんなに面白くないんだが、最後の戦いになった瞬間に劇的に雰囲気が変わる。
奥行きあるセットとワイドな画に三國連太郎と女が写り(桜?がまた綺麗な…)、暗闇で鐘が鳴る。錦之助と三國連太郎の何とも…
会って数分のうちに仙太郎(三國連太郎)を「あにぃ、あにぃ」と慕う銀次(萬屋錦之介)がかわいい。
その銀次を死んだ息子と重ねる仙太郎。この関係性いいなぁ。
この3日前に観た「死の十字路」に続き三國さ…
「追悼特集 成澤昌茂 映画渡世」
錦之助に息子を重ね世話する三國さん。実際の年齢差は9歳で三國さんの老け役がイイ。ラストのローアングル斬られてすぐ死ぬわけでないリアリティ?木下忠司さん音楽が軽快さの…
話の筋だけ見ると典型的な東映の股旅時代劇なのに、加藤泰監督はセオリーを悉く無視して作ったために奇妙な時代劇に。典型的な白塗り二枚目キャラが多かった頃の中村錦之助にノーメイクで二枚目半の軽薄な渡世人を…
>>続きを読むどうしようもなく青く幼いチンピラの錦之助もどうしようもなく不器用な大人のとぼけた三國も、なんとも力無く山や田舎の背景に時に溶け出して時に浮き立って鮮烈、それだけでこちらは胸いっぱい。気楽にも切実にも…
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