Tully

名探偵コナン 11人目のストライカーのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

コナンと言ったら、毎週のように殺人事件が発生する殺伐とした街が舞台。これはツッコんじゃいけないお約束でしょうし、劇場版は派手さを演出するために爆弾が出てくるのもほぼお約束。本作も例に漏れず、爆弾を使った脅迫事件とスケボーで大ハッスルするコナンの姿が登場します。現実ではないアニメなのは十二分に理解し、そのうえで愉しむ脳は持ち合わせていますが、しかしあまりにも事件そのものがあり得ません。数ヵ所のスタジアムに爆弾を仕掛けるなど、単独での犯行が可能なはずがありませんが、一切スルー。どうしたもんだかといった感じ。加えて、本作の中心にあるサッカーが頂けません。サッカーそのものは否定しませんが、「サッカーを舞台にするから協力してね。もちろんJリーグをかっこよく描いて人気の上昇に努めますんでよろしく」 といった感じの舞台裏が見え見えの設定。これに安易に乗ったJリーグ側も全面協力し、選手が自身役で声の出演まで果たしますが、全員揃いも揃って棒読み。ここまで酷いアニメのセリフを聞いたことがないと断言できるくらいの不自然さで、物語の世界を一気に破壊します。挙句、時々登場した子供たちの声も棒読み満載でしたので、そんなこと気にもせずに制作されたんでしょう。お金を払う観客を馬鹿にしているようにしか思えないほどの酷さです。脚本が酷く、演出も酷い。見どころと言ったら現実離れしたコナン君の大活躍くらいですが、推理ではなくアクションで活躍してくれますのでコナンに求めるものじゃない気がして物足りず。制作チームはいったい何を訴えようとしてこんな物語を作ったのか、本気で小1時間問い詰めたくなるような作品でした。
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