モテないオッサン二人が主役のホラー・コメディ。
先に言っておくが、
「モテないオッサン二人の映画を、クリスマスの夜にモテないオッサン(俺)が一人アパートで観ている絵面自体がホラーだ」
といった俺が現実に引き戻されるような指摘はしないでほしい。
水道工事を営むモテないオッサン二人組・タッカーとデイル。愛用のオンボロトラックを運転して到着したのは、なけなしのお金をはたいて買った別荘。その近くでは、陽キャでパリピでリア充な大学生たちが楽しくキャンプを楽しんでいた。
もうこの導入部分から、タッカーとデイルに100%の感情移入の出来る作品。
パリピ大学生の中で、唯一常識的な判断を持ち合わせてる美人が、沼で泳いで溺れそうになっているところをタッカーとデイルが助ける。
なのに、ラリった他のパリピ大学生たちは「気持ち悪い殺人鬼たちに仲間をさらわれた!」と勘違いし、タッカーとデイルに襲いかかってくる……というのが、大まかなストーリー。
本題とは関係ないが、アメリカのホラー映画
「沼で泳ぐ」
シーン多すぎじゃない? アメリカの若者って、
「うっひょー! 沼だーーーーっ!」
って飛び込んじゃうくらいリア充なの?
俺、数十年も生きてて、一度も沼で泳いだことないんですけど。
それはともかく、デブで女性経験皆無。ボードゲームとボーリングが趣味というデイルには共感しかなかった。タッカーとデイルとなら、寂しいクリスマスでも三人で美味しい発泡酒で乾杯できる自信ある。いやむしろ、俺がこの作品に出演して
「タッカー と デイル と むらむら」
になっても構わない。そういえばフォロワーさんにタカさんという方がいるので
「タッカー と デイル と タカ と むらむら」
でも良いんではないか。なんか「コックと泥棒、その妻と愛人」みたいでかっこいいし。
ただ、キモいオッサンが4人、集まった映画だと、それは別の意味でのホラー映画になりそうなので、深く追求するのは止めておく。
とまあ、そんな
「ぐり と ぐら」
みたいなタイトルの話はさておき、面白いように自業自得で死んでいくリア充大学生たちにスッキリさせられ、なぜかデカパイ美女とデイルが結ばれるという都合の良い展開に納得させられる作品。
世の中のサンタクロースの皆さんは、ぜひ、俺みたいな孤独なオッサンの枕元に、この「タッカーとデイル」のDVDを配っておいてほしいとリクエストしたくなる、そんな良作でした。
(おしまい)