アーモンドフィッシュ

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまでのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

3.8
あのタイタニックカップルのレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが夫婦役で共演、さらにブラウン婦人役だったキャシー・ベイツも隣人役として出演しています。

とにかくキツイ映画でした。もし自分がこの立場だと思うとゾッとします。生きがいを見つけ人生をやり直そうとする妻と平凡な生活を望む夫とのすれ違いを描くストーリーなんですが、夫のフランクは職場の女の子と浮気、妻のエイプリルは隣人と浮気…そしてすれ違いのために大声で喧嘩…。ああ…あのジャックとローズが…と複雑な気持ちにならずにはいられません(笑)映画史上最高のカップルをどん底に叩き落とす監督ってなんて変態!!て思ったら監督はケイトの夫。なるほど…納得しました。

所々これってタイタニックのオマージュ?てシーンがあって、ケイトが浮気相手とダンスをして盛り上がる所やカーセックスする所(しかも窓ガラスに手を置いて)なんかは完全にそうでしょう。もしジャックとローズが生き残ってアメリカで生活していたならばと思って観てみるのも面白い見方だと思います。
物語中盤にジョンという精神を病んだ人物が出てくるのですが、彼がフランクたち夫婦のことを誰よりも一番見抜いていたというのは皮肉。フランクが言うように「俺たちもそれくらいイカれてるということ」なのでしょうか?最終的に夫婦として一番幸せになれた瞬間は妻が何もかもに絶望したときだというのが胸が痛くなります。

惰性で生きていきたい夫の気持ちも分かるし、夢を追い続けたい妻の気持ちも分かる。もしこれが逆だったらどうだっただろうか?て考えたりもしました。夫の夢のために妻が現在の生活を捨て一緒に新天地に向かうという話は現実でも一杯あるし美談のように語られます。でもこれが男女逆だったら、この映画のように世間は白い目で観るんだろうなーと複雑になりました。

とにかくキツイ映画。独身の方は閲覧注意映画です。ディカプリオとケイトの演技は最高ですけどね。

※余談だけどディカプリオにしろ隣人の浮気相手にしろフィニッシュが早いね。そりゃケイトも不満げになるよね(笑)そこすごく気になりました