HAYATO

ファンタスティック Mr.FOXのHAYATOのレビュー・感想・評価

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)
4.2
2024年149本目
泥棒キツネvs人間の“ファンタスティック”なバトルを描くストップモーションアニメ
ロアルド・ダールの人気児童文学『すばらしき父さん狐』を、『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンが映像化。
大泥棒として名を馳せていた野生のキツネ・Mr.FOXは、息子の誕生を機に泥棒稼業から足を洗う。しかし、穴ぐら生活に飽き飽きした彼は、親友の弁護士・バジャーの忠告を無視して丘の上に立つ大木の家へ引っ越すと、野生の本能が再び目覚め、かつての相棒たちと共に農場から盗みを働く。大切に育てた家畜を盗まれて怒った3人の農場主たちは、報復作戦に乗り出す。
昨年『バービー』のグレタ・ガーウィグとの結婚を発表したノア・バームバックとウェス・アンダーソンが共同で脚本を執筆し、ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープ、ビル・マーレイ、ジェイソン・シュワルツマン、ウィレム・デフォー、オーウェン・ウィルソンら超豪華俳優陣が声優を担当。
ウェス・アンダーソンが初めて監督したアニメ作品。『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』と同様、アーティスティックで温かい彼の作風はダール作品との相性が抜群に良い。
特徴的な動物の造形は『犬ヶ島』のそれと通じる部分が大いにあり、二足歩行したり、服を着ていたりと擬人化がなされているものの、毛並みや口元、表情などは野生動物らしさを感じさせるものになっている。
家の内装や学校の化学実験室、街の通り、スーパーマーケットなど、どの場所、どの場面を切り取っても色彩豊かで美しく、それをフルに活かす遊び心全開のカメラワークが素晴らしかった。
小さなものに対する異常なまでのこだわりが透けて見えるウェス・アンダーソンの美学に酔いしれるにはもってこい。
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