カトゥ

ホテル・ルワンダのカトゥのレビュー・感想・評価

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)
4.4
感動することが下劣とまではいわないが品の無い行為だと思えてきてしまう、そんな過酷な映画。

誰が言ったか、「こてんぱん映画」というカテゴリがある。簡単に言うと、感情移入の余地が無い作品のこと。最近では「サウルの息子」がそうだった。自分ならどうする、という単純な想像力すらも拒絶する凄まじい現実を描く。

「虐殺された映像を世界に流せば、世界が救ってくれる」
「いや、世界はそれを見て「残虐ね」と言ってディナーを続けるよ」

ルワンダ大虐殺と同じくらいに、この会話もまた悲しく辛い。

どう考えても、楽しむための作品ではない。
でも、「こういうのは自分に向いていない」「自分は見られない」といった言い訳で避けるのは勿体ない。絶望もまた世界の奥行きなのだから。
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