キラリ

手紙のキラリのネタバレレビュー・内容・結末

手紙(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

“ゴミでも、なんでもない俺の兄貴ですからね。たったひとりの”

ラストの刑務所の慰問漫才ライブのシーンは泣く。あれはズルい。兄貴を絡めた漫才のネタやセリフ、そして小田和正「言葉にできない」の音楽…泣いちゃうでしょ、あれは。そして、そのシーンの山田孝之と玉山鉄二の自然体で観る者をひきつけて離さない演技がまたもう最高に泣ける。

沢尻エリカも当時20歳くらいだと思うんだけど、最後はちゃんと母親の顔になっていたし、同じ人間だけどまだ垢ぬけていない頃からどんどん大人びていく様が演じ分けられていて、この頃からすでに素晴らしい女優だったなぁ。

残念ポイントをあげるとすれば、最後のエンディングのメロディーが映画の世界観とマッチしていなかったのと、全体的にご都合主義な感じが否めなかったことかな…でも罪を犯すということが、自分だけでなく家族をはじめ周りの人間をどれだけ不幸にさせることなのかが丁寧且つドラマチックに描かれていて、満足度の高い作品でした。老若男女問わず感動できる映画だと思う。

「泣ける映画」という表現は好きではないけれど、「泣ける日本映画のおすすめは?」ときかれたら、まず本作をおすすめしたい。
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