“普通って？ミー坊はよくわからないよ。”
鑑賞後に心地良い多幸感に満たされる映画。以前映画『横道世之介』を鑑賞した後と似た感覚だなぁと思っていたら、案の定監督が同じ。
「ダイバーシティ＆インクルージョン」だの「多様性とは？」だの「普通とは？」だの最近こういうことをよく耳にするし、こういうテーマのドラマも多いし、仕事や研修資料でもよく見かけるけど、あーだこーだ難しいこと考えるよりもこの作品を観る方がよっぽど気づくことがあると思う。常識の枠にはめず、ただただ“好き”を追求するミー坊がとても魅力的で、またのんの透きとおったキラキラした目も相まって本当に素晴らしいキャラクターだった。ミー坊はのん以外には務まらないんじゃないか、他の人が演じたら全く別物の映画になってしまうのではと思うほど、のんがハマリ役だった。
“好き”という気持ちを貫きとおし、強みを最大限に活かすためには、本人だけでなく、家族や友人など周りの理解やサポートも大切であることにも気づかされる。性別とか一般論とか関係なく、どんな生き方や考え方も否定せず受け入れてくれるこの映画に救われて背中を押してもらえる人もきっといるはず。子供からお年寄りまであらゆる人にこのちょっぴりおかしくて不思議な世界を感じてほしい。
