イチロヲ

ベストフレンドのイチロヲのレビュー・感想・評価

ベストフレンド(1998年製作の映画)
4.0
遠距離恋愛を開始することになった女性(林由美香)が、遠方に出立する彼氏の立案により、ゲイの友人との共同生活を始める。幸せな人間関係の在り方を提起している、オーピー配給のピンク映画。別題「発情娘 糸ひき生下着」。

女性監督&女性脚本家による、女性視点のヒューマン・ドラマ。自身の恋愛模様を俯瞰しているヒロインが、遠距離の恋人(石川雄也)、ゲイの同居人(川瀬陽太)を絡ませながら、愛情と友情の何たるかを模索していく。

「"好きな人が好きな人"が好き」「優しさは、相手にとっては残酷なもの」などといった、深いとも浅いとも捉えられない、恥ずかしい台詞回しが頻出するため、全体的に自己啓発セミナー(ソフトラブとハードラブの掛け合い)の雰囲気が出ている。

しかしながら、ゲイの青年を"悲劇のヒロイン"のような立ち位置にする手法や、林由美香の一挙手一投足を自然体のままに活写していく演出は、一見の価値あり。彼氏の浮気を示唆させる役割を、吉行由実自身が演じているところも自虐的で面白い。
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