このレビューはネタバレを含みます
◎対の対称性と腐敗に執着する双子の兄弟‥
‥‥というアイディアだけで突っ走ったカルトムービー
2000年初期のHDリマスター版 無修正劇場初公開
日本で中世から絵画として描かれて来た、小野小町のような美女でも、死すれば腐り、蛆が湧き、やがて白骨と成り果てるという「九相図」がある。
仏典に基づき、無常の真理を理解するための助けとする目的で作られたものだ。
*1 「九相図」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/
澁澤龍彦の『高丘親王航海記』(近藤ようこによる漫画化も秀逸)でも、蜜人の章で、親王が蜜人を見ることで「不浄観」を得たと述懐するシーンがある。
だが、グリーナウェイの本作は、ただひたすら対の対称性と、腐敗とに執着するだけで、そこに哲学的な深みも何かの教訓もあるわけではない。
そういう映像作品があっても良いが、だったら、もっとコンパクトに作れば良いのであって、本作は、無意味に時間を引き延ばしているだけのように思える。
グリーナウェイの変態趣味に、正直そこまで付き合いきれない。
《参考》
*2 ZOO(1985)
1987年12月19日公開
moviewalker.jp/mv11771/
*3 明日もシアター日和
映画ピーター・グリーナウェイ③「ZOO」(1985年)@シアター・イメージフォーラム
March 08, 2024
ameblo.jp/theatregoing/entry-12843628688.html