Saki

男と女のSakiのレビュー・感想・評価

男と女(1966年製作の映画)
3.8
お互い子持ちじゃーん??
車内での「んふ」って返事ったら…なんなんだ!
子供連れて堂々と食事とかなんなんだー!
あの椅子にかけた手が肩に絶妙に触れてる感じとかなんなんだーーー!
…って感じの序盤でした。
「男」と「女」だ!愛だ!!!

みんなが「ダバダバ」言ってる理由が分かったよ、ダバダバダ♪

そもそもこの映画を観ようと思ったきっかけを、長い長い追伸にて。

p.s.この町には、みんなに教えたいけど、それと同じくらい秘密にしておきたいと思えるバーがある。
そこは狭い階段を登った珈琲屋さんを通り過ぎ、更に狭い階段を上がったところにあるのだ。
そのバーにある更に細い階段を上がったら屋上になっていて、そこには複数のキャンドルと小さな照明がひとつ、ハンモックと、ギター。
そして、小さな明かりにようよう照らされたポスター。
これが「男と女」だったのだ。

それがそうだと分かったのは、私が彼と、彼の女友達と、ビールを持って3人で屋上に上がった時だった。
彼は真っ先にギターを手に取り、彼女はハンモックに揺られた。
小さな椅子に座った私は、揺れるキャンドルを眺めていた。

私たちは取り立てて何かを喋るわけではなく、いろんな音を聞いていたと思う。
静かなギターの音色を中心に、ひとつ下のバーの賑やかな声、20分に1本くらいのペースで通る電車の音、フェリーの出発音。
ほろ酔いの火照った身体に、冷たい夜風。

目を瞑って、開いた時には違う世界にいるのではないかと思える不思議な時間。
それでも私は目を瞑ることなくキャンドルを見つめ続けていたのだけど、その時彼女が、ポスターを見つけて「男と女だ…」と呟いたのだった。
過去には一生追いつけない。
なぜか、ちょっと、悔しかった。

その時の私は綺麗だったと、だいぶ後になってから彼が教えてくれた。
だから、この映画を見なければいけない、そう思ったのだ。
私の心がダバダバダ…
Saki

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