ある日、東栄館に大内照子が越してきた。
照子と顔を合わせた住人の遠藤は一瞬躊躇するもの歯科医院の患者だと説明する。
その様子を見ていた郷田は屋根裏に登り遠藤と照子の関係を覗き見てしまうのだが…。
江戸川乱歩原作小説『屋根裏の散歩者』を窪田将治監督が映画化した作品。
『失恋殺人』『D坂の殺人事件』に続く江戸川乱歩エロティックシリーズ第3弾。
大筋は原作の『屋根裏の散歩者』を踏襲しつつ、遠藤にスポットを当て、遠藤と2人の女性との三角関係を重点的に描いた内容になっていました。
これまでにも散々映画化されてきた『屋根裏の散歩者』ですから、今作の監督もオリジナリティを出すのに苦労した結果、このような物語となったのでしょう。
原作の内容重視よりも、エロティック映画を優先した事で、あくまで江戸川乱歩風作品に仕上げた別物に成っています。
あと、映像特典のメイキングは、当然、退色加工していないので、リアルで鮮明な映像だった。
絡みの場面のメイキングもたっぷりだった。
そして、木嶋のりこさんと間宮夕貴さん、すばらしかったです。
美しかったです。
このモノクロ基調の画面からでも、おふたりのセクシーさは十分に堪能させていただきました。
ただ、江戸川乱歩作品の醍醐味である推理が、終始希薄に成ってしまった点はちょっと残念。
余談ですが、この三部作の明智小五郎役が、ゲーム『街 〜運命の交差点〜』の主人公の1人、「篠田正志」役の人でビックリ。
ちゃんと役者を続けてたんですなぁ。
しかし、『屋根裏の散歩者』の次回の映画化はいつなのだろうか。
いつなのかは想像が付かないが、きっと再度映画化されることには間違いが無いような気がする。
ちなみに今作は、以前レビューした『エロチック乱歩 屋根裏の散歩者』とは一切関係ありませんので。