春とヒコーキ土岡哲朗

シャイニングの春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
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じわじわと豪華な映画を観ている贅沢さと、ニコルソンが斧を持ち出してからの盛り上がり。

オープニングからものものしい音楽で、「山奥」という日常と離れた空間に車と一緒に観客も連れていかれる。いろんなシーンで「絶対なんかあるじゃん」とずっとヒヤヒヤさせるぐらい間を取る。
壁にボールを全力投球しだしたときから、精神が正常に保てない前兆が始まる。

誠実な妻にイライラしだすニコルソンだが、この妻のリアクションもだいぶ怖い。
謎の女が風呂に入ってるシーン、ずっと遠巻きからアングルを固定して風呂を映しているのが、かえってその場に居合わせているような緊張感があって怖い。
「レッドラム」の連呼も、最初はうっとおしかっただけだが、怖くなってくる。不安を積み重ねて恐怖にしていく。
そして、斧、登場。
雪の積もった巨大迷路では、ほぼ暗闇のところに光が差し込んで白く照らされる。神秘的というか、「無」の空間っぽい。