ハル

フォロウィング 25周年/HDレストア版のハルのレビュー・感想・評価

3.9
クリストファー・ノーラン監督のデビュー作!
折角のリバイバル上映期間、『オッペンハイマー』を見た記念に、こちらも劇場鑑賞。
70分、モノクロという異色の構成だがしっかり“持ち味”を感じられる作りだった。

無職のビルが暇すぎて“無差別ストーカー”を始めた結果、たまたまその相手が泥棒で仲間に引き込まれる冒頭。
彼の流儀は一つ『家と仕事場を突き止めたら、もうその人物のストーカーはしない』ザ・プロフェッショナル。
は?何いってんだこいつ…と思うよね。

忍び込んでは盗みと女性の下着の匂いを嗅ぐ変態二人組。
会話もちょっとずれていて、盗みのパイセン、コッブ曰く「この匂い…最高の女だ!だからこの下着は持って行く」など、振る舞いは一流、かつスタイリッシュなのに旗から見たらぶっ飛んだ変態。

また、同時並行で男性と女性の恋愛模様も描かれていくが、こちらは何か意味深な会話がちらほら。
ビル&コッブと男女のエピソードが交互に進んでいく中、所々に伏線が散りばめられていて…
そして、訪れる「えぇ?あ、そういうことか…やっぱりノーランじゃん!」
いつも通りの憎い演出。

こちらをラビリンスに紛れ込ませ、煙に巻く辺りは流石だ。
稀代の天才の片鱗は確かに示されている。
『インターステラー』や『TENET』のようなダイナミックさはないけれど、緻密に構成されたプロットをじっくり味わうタイプの一作でした。
クリストファー・ノーラン好きは必見です。
ハル

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