メシと映画のK佐藤

仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦のメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

後日談的なVシネが作られるのも常態化して来たし、もう冬映画を無理くり作らなくても良いのでは無いか…と思ってしまう程、今年はつまらなかったです。
まさか、個人的にワースト冬映画であるゴースト×ドライブに負けず劣らずの出来になるとは…😅

ギーツとガッチャードのクロスオーバーが各々の作品のキャラの顔合わせ程度の雑なもので終わっていた事と、話の組立の悪さが、個人的に本作をダメにしている要因となっています。

まず、クロスオーバーの拙さについて。
今年は去年と異なり各作品を別パートにせず一つの物語にしていたのですが、それが仇になったかと。
もう少し上手にギーツのゲーム・バトルロワイヤルの要素と、ガッチャードのケミー集めの要素とを組み合わせられなかったものか…。
上述した通り、各作品のキャラが顔合わせする程度の共演だったので、大きなドラマが生まれなかった事も残念。
神様になった英寿がどの様な形で下界に降臨するのか期待していたのに、何の過程や旧知の面々との再会の喜びの描写も無くガッチャードの面々と共闘し始めていたのには、心底ガッカリしてしまいました。
ツムリなんて登場しなくても話が成立してしまう程の雑な参戦の仕方で、何だかなー…。
過去のデザイアグランプリの参加者であり、転生前の英寿に敗北した際に命を奪われなかった事に屈辱を覚え、錬金術をマスターして英寿への復讐を企んでいた…と云うキャラ設定が判明したリヒトですが、他作品とのクロスオーバーキャラになっている彼について、ガッチャードのTVとどう整合性を持たせるつもりなのか不安だったのですが、まさか何の説明も無しに退場した事になっていたのには唖然としました。
これ、映画観てないお子さん達が可哀想過ぎですよ…💦

続いて、話の組立の拙さについて。
これが、個人的に本作で致命的にダメであった部分だと思います。
宝太郎と彼の母親との喧嘩。
実は、デザイアグランプリに参加する前の英寿の事故死した飼い犬の魂がケミー化した存在だったギーツケミーの正体。
上述の英寿とリヒトの因縁。
ケミーにされたギーツの面々。
レベル10のケミーの回収ゲーム。
りんねの仮面ライダーへの変身(これも、テレビシリーズでは「勿論みんなは映画観てるよね」的扱いになっていて、何だかなーと。)。
…諸々の要素が全く巧く繋がっておらず、一本の線と化していない。
単発のイベントを粛々とこなして行く形で終わっており、作品全体的に散漫な印象を抱いてしまいました。
もう少し巧く繋げられなかったかなー…。

個人的に冬映画には一つ前のライダー作品の補完・落ち葉拾い的要素を求めていたのですが、冒頭で述べた通り最近は後日談的なVシネが作られる様になって来たので、本作の様な薄味のクロスオーバーを見せられるのならば、もう冬映画は要らないかな…。