メシと映画のK佐藤

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

負のドミノ倒し、教訓に富んだ内容、そしてオチ…気持ちの良い位に「これぞホラー」な作りをしていて且つ本作独自の面白い趣向もある。
2023年の年の瀬に中々の快作ホラーと巡り合う事が出来ました!

冒頭で「憑依」にのめり込んだ若者の末路を描く事によって、「主人公ミアの選択は碌な事にならないだろうなー」と云う予想が的中し続けて行く…負のドミノ倒しが成立する形になっている。
「憑依」がドラッグ乱用の隠喩になっていて、心の悩みを解決してくれるのはドラッグ(「憑依」)ではなく、家族や友人である事を作中でしっかり描いた訓話的ストーリー。
最終的に自身が命を落として死霊と化し、新たな「憑依」を楽しむ若者達の前にミアが現れると云う痺れるバッドエンド。
もう、これぞホラーよねと云う要素てんこ盛りでした。
サム・ライミの「スペル」とほぼ同じ作りなので、彼方が好きな方は恐らく本作も気に入るはず。

ドラッグ乱用の恐怖を、己に死霊を降臨させて快感を得ると云う遊びに置き換えるアイデアは、個人的に中々面白かったです。
…と言うか、ようこんなアイデア思いついたよなー…😅
本作は、お上の下手な啓蒙活動よりドラッグの怖さを伝えられていると冗談抜きに思います。

オーストラリア製のホラーとの事でしたが、冒頭でカンガルーが登場する位しかお国柄は感じられず、普通にハリウッド製のホラーを観るのと変わらない感じで楽しめると思います。
全く期待しないでの鑑賞でしたが、中々どうして良質なホラーでありました。