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映画の朝ごはんのmmmのレビュー・感想・評価

映画の朝ごはん(2023年製作の映画)
5.0
ロケ弁として有名なポパイのおにぎり弁当
(ポスターの絵がまさにそれです)

主に朝ごはんとして映画やテレビの撮影などで
利用されているそうです。

この作品は、ポパイのお弁当がつくられる光景と
いくつかの映画作品の現場の風景が
平行して描かれています。

たまたまSNSでみかけたポスト
横浜の映画館で、このおにぎり弁当を食べながら
映画をみるという素敵な企画を発見し行ってきました。

入口でお弁当と缶のお茶が配られ着席
おにぎりは鮭と筋子、おかずは唐揚げ2個
そこに沢庵2切というシンプルな構成

型に入れてギュッとしているので
作業をしながらでも片手でパクっと
食べやすい。
しかも固くなってない!
(ちなみに具材は31種類あるそうです!)

研いだお米を一晩寝かせて、夜中から作業がスタート
お米を炊く人、握る人、海苔を巻く人
お惣菜を仕込む人、盛り付けている人
あちこちからの注文を、箱ごとに詰め、
明け方、いざ配達へ。
電車の時刻表みたいにみっちとしたスケジュールで
それぞれの現場スタッフに
バトンのように渡されていきます。

缶のお茶を釜でゆでるシーンが
あるのですが、(なかなかシュール)
なんでかな?と思ったら、お茶を温めているそうです。
優しい配慮だ…

あぁ、私の観ている映画やドラマは、このおにぎりの
お米を炊くところから始まっているいるのか

当たり前のようで、そんなことに気づいたのも
実物を口にしながらだったからかもしれません。

しかし、映画館で沢庵を食べる日が来るとは思わなかった!!

一方で映されるのは、映画の撮影現場
特にスポットがあたるのが製作部という部署の方々で
それこそ、お弁当の手配もですが、裏方という裏方を
幅広く請け負っておられ、まさしく縁の下の力持ち

日本ではホットミールは少ないと聞いたことがありますが、
気候や提供時間、役者やスタッフさんのことを考えながら
できるだけお弁当の保温をキープしたり
汁物のメニューを考えたり…

ハードなスケジュールゆえ、食事の時間と
食事時のスタッフさん同士のコミュニケーションは
貴重なリフレッシュタイムでもあるようです。


個人的に、美味しいごはんが出てくる映画は良作と
感じるところがありますが、こういう丁寧さは
座組の団結にもつながるし、やっぱり作品に還元されて
いくのかもしれませんね。

映画の製作費やら、その中の食事代などのリアルな数字も
出てきたりしてびっくり。

日本の劇場鑑賞料金(一般)がおおよそ2,000円
他国に比べて、ちょっと高い。
私のお財布もゆとりがあるわけじゃないので、
会員制度やら曜日やらを駆使して映画鑑賞しているわけだけど
映画が企画し制作する方々、自分が目にするまでに
関わった人の数や手間を考えると、やはりそれなりの人数に
観てもらわないと成り立っていかないというのも感じました。

映画を支えるみなさまに感謝
そして、どの現場も、穏やかで
あることを願うばかり


※ドキュメンタリー作品は基本スコア5にしてます
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