王冠と崑敏

青春18×2 君へと続く道の王冠と崑敏のネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「過去の記憶を何より克明に蘇らせるのは、それにまつわる匂いである」
~ウラジーミル・ナボコフ

いやあ、観てないんですよ。
岩井俊二監督のlove letter…
どうやら、観ないとこの映画を理解したコトにはならないっぽいです。まあ、そのうちに観るとして。

ログラインとしたら、ベタな悲恋のお話なんですが、予想通りの結末の後に…「人生が長く続くかなんて分からないよ」のアミの台詞はわかりやすい伏線…ジミーはとっくに“その”事実を知っていたんだとわかると、アミの母親にした挨拶が不自然な理由もわかるし、ジミーの心情を鑑みると胸が締め付けられる感じになります。ジミーが、ダイレクトにアミの故郷に向かわなかったのは、スラムダンクとlove letterの聖地巡礼が理由の1つだと思いますが、真の理由は、単純に行きたくなかったんではないのかな?と思いました。行ってしまったら事実を本当に認めないといけないから。最短距離ではない時計回りのルートを取ること(パスト・ライブスの回転木馬と反対に)で、時の流れ(香水の名前)に乗り、失われた時を求めて(love letterネタ)という事だった説を唱えていらっしゃる方もいらっしゃいましたが、プリンセスオブウェールズの映画でバッキンガム宮殿に行きたくないので、冒頭からワザと道に迷うダイアナさんのシーンを思い出してしまいました。

ずっとジミーの視点でストーリーが進んで行きますが、アミの書いたジミーへの絵のlove letterで、アミ視点に切り替わって映っていなかった所が明かされるというのが凄く良かったです。アミはジミーの気持ちを充分わかっていたけれど、自分の問題を彼に背負わせてはいけないと考えたんでしょうね。
そして、ジミーはこれでようやく区切りを付けて、アミの為にも新たな人生という旅を歩んでいって欲しいと思います。

パスト・ライブスも良かったですが、感情移入のし易さでは、別格でした。兎に角、清原果耶さんが本当に素晴らしかったです。

ランタン祭に向かう電車の中で、2人が聴いていたミスチルの曲は?わかった方、推測で構いませんが、コメント下さると嬉しいです。大人になったジミーが電車の中で聴いてた曲と同一だと思うのですが…劇中かかるのはイントロだけです。にわかミスチルファンの私には曲を限定出来ませんでしたが。

“youthful days ”じゃないか?と勝手に思ってます。

二つの車輪で僕らそれに飛び込んだ。

繋いだ手を放さないでよ。

ずっと二人でいられたらいい。
いつも二人でいられたらいい。
王冠と崑敏

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