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青春18×2 君へと続く道のfilmaholicのネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

藤井監督の作品を泣かずに見ることができない...
全く原作もあらすじも見ずに鑑賞できて本当によかった。若くてキラキラした笑顔の眩しい、いつも口角が上がって少し小悪魔というかあざとい感じの女の子かなと思ってたけど、真実がわかってから思い出すと痩せているのも納得だし(元々細かったけど)人生が長いとは限らないとか、あざとい小悪魔じゃなくてちゃんとジミーに惹かれてしまったことがわかって...
残された時間を楽しむために行きたい国に旅をすると決めて1カ所目で出会ってしまった人との未来の為に、治療しに帰る..そんな事があるんだなと思うと奇跡や運も大きな人生の要素だなと改めて実感した。
ジミーが36歳になって出会った旅人や街の人々しかり。映画にこんなけしか出ないの?がそのまま彼らで、もう会うことはないかもしれない、けど確実に出会った、人や場所がある。
ジミーがはがきを匂ってるのも変な癖だなと思ったけど香水ってわかると、もうあの画像見るだけでこみあげてくるものがある笑
五感で初恋してるのが、映像でひしひしと伝わってくる技術と、俳優の芝居力。
ジミーの方、2時間見てても18歳と36歳が同一人物かわからなかった、正確には顔が違って見えたし、同じ人であれだけ芝居が違う若き頃を演じた人って見たことないかもしれん。。だって、本当に若くて、たどたどしくて、36歳より日本語はつたなくて、恋についてもあまりに初々しくて...36歳のあの落ち着きっぷりよ。芝居なんでしょ、あれ...すっごいよ。 別のキャストかと思う。KARAOKE神戸の壁画しかり、本当に18年前にもあの時間があの場所にあったように思える凄まじいちからがあった。
あとやっぱり真相についての描き方もすごくて。
ちらっと福島県って出た時や兵庫県からもしかしたら、オリジナルではないけど、地震で亡くなってるとか?とアミが36歳のジミーの世界にいないようなことは何となく香ってくるような空気がふしぶしであって。過去形ではないけど..18年もあくか?という感情しかり、いないのでは?は少しだけずっと心にあるまま観ていて。それが、松重豊さんのたった数分数セリフの中の「神様のいたずら」と黒木瞳さんの母と初対面した最初のジミーの挨拶が「遅くなってすみません」だったことから、あ、亡くなってる、そしてジミーは知っててここへくる旅路をあんな顔して過ごしてたんだ、と確信するの、自分の中で、その瞬間もう号泣。
原作が素晴らしいんだろうけど、やっぱり藤井監督やチームの皆さんが大切な人を失って「残された側」としてどう生きればいいかを映画にぶち込んでるような気もしてずっと涙が止まらんかった。すごすぎんだけど...全て回収される...
キャストでいうと、みっちーがアイドルでキラキラした主演じゃないけど見たことない表情で。ジミーからしたらかつて18歳だった自分のような通ってきた過去である青年なのに、どこかこう未来ある可能性に溢れた今というか、何とも言えないキャラでよかった...あと岩井俊二監督とミスチルもすごくよかった。もう、全てが愛おしい映像で綺麗で。どれだけちゃんと撮ったんだろうと、とにかくどの景色もすごくよかった。
道枝青年とトンネル抜ける時3.2.1から無音になって一面真っ白の雪景色、で涙が出てしまった。まだアミがいないことを確信する前だけど綺麗すぎて涙が出た。ロケのちからよ。。。
もう、もう、ダメだ、思い出し泣きと楽しすぎた淡い青春を思うと笑顔になってしまう。
すごいのよ、あざといんじゃなくて、拒んでも拒んでも超えてくる愛情があまりにピュアで、ランタンをあげた後にもう拒み切れなくなった溢れるアミの想いを思うと、治って幸せになってほしかったと願わずにはいられない。
果耶ちゃん本気で可愛いです、本当に、元気っ子!ジャンヌダルクの次に見たから女の子らしさが増していて、しっかりとした落ち着いた役もできるけど、ハツラツとした芝居、最高すぎた。代表作になるね。少女から女性への瞬間の彼女というか。18歳の頃の青春を想う36歳、36歳の今観たの運命だ。
色々なインタビューを読んでいると藤井監督は台湾のクォーターのようで、ルーツというだけあって納得の作品です、最高
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