お腹すいた

彼方にのお腹すいたのレビュー・感想・評価

彼方に(2023年製作の映画)
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主人公のダヨとほとんど同じ状況の自分には刺さりまくって共感しかない作品だった。
自分も1年ほど前に大切な家族を立て続けに突然2人、亡くしている。
だからダヨの状況や心情が痛いほどにわかるつもり。

最後の女の子のハグは、まさに見る人によって解釈が違うと思うけどダヨのその後の感情の発露から、自分は大きな慰めといたわり、寄り添う気持ちを受け取ったのだと思う。
あの家族はなんだかんだでうまくやっていくと思う、現在の嵐が過ぎれば。

あの女の子のおかげでダヨもやっと自分の悲しみの感情に向き合って、自分を取り戻そうと立ち直っていくと思う、なぜなら生きているから、1人、生き残ったのだから。

追記。
そういえば、自分がまだ家族が突然亡くなってなす術もなかった時に乗ったタクシー運転手の言葉で(自分もこの映画の主人公のように1人で全て背負って、やらなくてはならなかった)「1人で全てやる必要はない。死亡届を出したのなら、必要最低限のことはしたのだからあとは自分のため、自分の時間を使ったって誰もあなたを責めない」というような事を言ってくれて、憑き物が落ちたように肩が軽くなってすごく気持ちが救われたのだった。
人間ほんとに、何気ない出来事やただその時乗り合わせただけのタクシー運転手の言葉から、また自分の人生に戻っていこうと思うきっかけをもらう事もある。何が起きるか、本当にわからないのだ。