お腹すいた

雪山の絆のお腹すいたのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
5.0
既知の通り実話がベースということで常に自分にこういうことが起きたら…と鑑賞しながらついつい想像してしまい、頭が痛く重くなった。

半世紀経たからといって事故に遭われ亡くなられた方、生存した方ご自身たちやご家族の苦しさは変わるものではない。
映像技術が現代のものだからこそ、墜落時の状況もまさに話に聞く通りのもので(墜落の衝撃で座席の構造と人体がまとめてサンドイッチされてミックスされてしまいもっと地獄になるそう)、そこは本当に怖かった。

でもまず最初の恐ろしい墜落を乗り越えてもその晩は早速ひどい冷え込みと吹雪で-30℃の極寒をあんな軽装で過ごさないとだなんてもう想像を絶する。

俳優の役作りもすごい。

やっと救助されてからの映像は、寒く冷え切った身体をあったかい浴槽に沈めた時のような感覚がした。

でも、見ていて最初のそもそも墜落のきっかけというか、どうしても自分は日本の知床遊覧船沈没事故と似た匂いを感じざるを得なかった。なんであの悪天候で戻らなかったのか。冒頭で飛行ルートが語られるけどそれをきちんと聞いていれば「この悪天候で思ったように距離を飛んでおらず飛んでる場所が間違っているのではないか」と素人の私にも思えた。当時のパイロットの飛行技術や知識は1972年レベルということだったんだろうか??? 防ごうと思えば防げた事故な気がすると考えるのは軽率かな。