このレビューはネタバレを含みます
“그녀를 반드시 떼어 놓지 마.”
映画は私にとって、現実逃避の手段の1つなので、出来れば2時間、上手に嘘を付いて騙して欲しいのです。それが、とてもリアルで、こうなったら、そうなっちゃうよねーという展開で、現実に引き戻されちゃうなー、何の救いも無い話だなーとずっと思わされて正直しんどかったんです。が、とても作品の出来が良かったのでじっくりと鑑賞出来ました。
囲碁の碁石が、白と黒、アパートの元々の住人以外を受け入れるのか追い出すのかを決める住民投票の投票用石として使われ、それが後からそんなことに使われたのかという伏線&回収や、アパートのルールの一番最初のその文言が、それを決めた『代表』から信頼と資格を奪う決定的なモノになる皮肉。タイトルからして、皮肉が効いていますね。
ラストシーンだけ、唯一の救いがあります。前途多難でまだまだこれから大変な事が待ち受けている世界線ですが、人間であるからこそだなーとホッとします。
あくまでも実害の及ばない土地に住んでいる者の勝手な意見ではありますが、
このコンクリートユートピア程ではないにしても、この度、令和六年能登半島地震で被災された方々も精神的にやり切れず、おかしな感覚に陥ってしまう事もあるでしょう。でも、そこで1つ大きく深呼吸して、当たり前の事=人間らしさを意識して生活して欲しいと思います。そのラストシーンのように。
ちなみに、最初のハングル文字は、イ・ビョンホンさん演じる代表こと『キム・ヨンタク』が発した台詞ではなく、
木村拓哉さんが風変わりな検事を演じて人気のあったHEROの劇場版で、韓国のエリート検事カン・ミンウ役のイ・ビョンホンさんが、『キム・タク』に向けて発する台詞です。