青山

キラー・ナマケモノの青山のレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
2.9

寮長選挙を控えたとある大学の女子寮。冴えない女子エミリーは寮長に立候補して独裁者の現寮長を倒すべく、寮のマスコットとして密猟されたナマケモノを入手する。しかし、「アルファ」と名付けたそのナマケモノは、実は恐るべき殺人マシーンで......。



https://kamiyamautou.hatenablog.com/entry/2024/04/28/120710

フォロワーのカワカミさんのブログ↑にて褒められていたので観に行きましたが、完全にカワカミさんに騙されました。ひどい。

昨年公開の『キラー・カブトガニ』という超傑作のキャッチコピーにおいて「サメの時代は終わった」ってのがありました。確かにサメ映画も頭が増えたり台風に乗ってきたり一周回って海に出たりと奇を衒うにも頭打ちになってきた感があり、近年ではカブトガニをはじめジーンズやらソファやらいろんなものが人間たちを血祭りに上げるようになりましたが、そんでもナマケモノという発想はなかった!
......なかったんだけど、このナマケモノ、めっちゃ頭良くて普通にスマホ使ったりするし、動きも俊敏だし、なんつーかナマケモノである意味があんま感じられなかったのが個人的には1番の減点ポイントですかね......ってのはまぁサメにでもなんでも言えることですけど......。しかしサメには「サメ」というブランドがあるからサメが出てくるだけで満足(なんなら出てこなくてもいい)まであるけど、そこに新規参入するならばやはりナマケモノであるがゆえの何かしらは欲しかった......少なくともわりと早い段階で人間みたいなことし出すのはちょっと興醒めなのでスマホいじったりするのは終盤だけにしてほしかったかな......。
まぁ、ナマケモノの絶妙なキモカワイさとそいつが殺戮マシーンであることのギャップはそれだけで常に微笑できるようなおかしみがあって悪くなかったですけどね。

あとストーリーの方もなんか寮長選挙もSNSも設定として出てくるわりにあんま生かしきれていない感じがあるし、キャラも立ってるようであんまり愛着が湧かなかったりして、やっぱこういうB級ギャグホラーってのはキャラへの愛着が全てだと思うのでそのへんも物足りなかったかな......。

でも終盤のバトルパートが結構長くてずっとクライマックスみたいな感じだったのは良かったし、謎のクールジャパン要素も嬉しい(というかこういうB級映画によくクールジャパン要素が入ってるけどやっぱ日本人がありがたがるからこういうのばっか作られるんだと思うと情けない気持ちになります)(いいぞもっとやれ)。
あとエンディング曲がキュートで良かったし、エンドロールまで楽しませてくれる気概ってのはこういう低俗な娯楽作品なら余計に大事だと思うのでそれだけでわりと許せちゃいました。まぁ面白いとは言わないし人に勧めるのも憚られるけど、このタイトルを見て「観に行かなきゃ!」というクソ使命感に駆られる私みたいなクソ野郎共にはぜひ観て欲しいですね。なんせこういう作品にしては上映感も多くて近所のジャスコですらやってましたからね......GWにですよ......10人くらい来てたし......てかこんなもん流すくらいならコナンを2スクリーンでやった方が儲かるんちゃうか......ありがとう......😭
青山

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