青山

風と共に去りぬの青山のレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
3.3

1861年、アメリカ南部のタラの町の豪邸で開かれた園遊会。スカーレットは意中の男アシュレーが、彼の従姉妹でスカーレットの親友であるメラニーと結婚することを知る。癇癪を起こしたスカーレットはアシュレーをなじるが、名家の出身ながら社交界から弾き出された傲慢な男バトラーにそれを目撃される。バトラーは彼女の逞しさに惹かれるが......。


4時間ある超大作なので体力的にしんどくて2日に分けてようやっと観れましたが、正直全然好きになれなかった......。

1939年という時代に4時間もの色付きの映画作ってるだけで凄え気がするし、セットや大量のエキストラの凄さとか赤が印象的な蓮烈な映像美などは凄かったし、スカーレットという女性の一代記として若い頃から子供を産んだり事業を始めたりするところまでどんどん展開していくストーリーの流れは面白かったんですが、いかんせん主人公のスカーレットがあまりにもクズすぎてちょっと無理だった......。
あかんっすね、最初からクズの一代記と思って観てたら良かったのかもしれんけど、「不朽の名作」というイメージから勝手にイイハナシだと思い込んでいたら、マジで主人公がクズだった。南北戦争が始まる前の冒頭からして既に他人の男に色目使いまくりながら手に入らない男のことを引きずり続けてる身勝手さがキツくて......。もしこれが冒頭ではもうちょいまともな人間だったのが戦争の荒波に揉まれてどんどん利己的になっていくとかなら感情移入も出来るんですけど、元からクズが戦争の荒波に揉まれて更にクズになったってどう転んでも好きになれない......。
まぁ、この時代に女性がこういうステレオタイプ的には男がやるようなクズで強いキャラクターをやってるのは画期的かもしれんけど、そんでも傲慢なだけで愚かな女として描かれているので結局女を馬鹿にしてる感じもあるし......。スカーレットが「美しいのは顔だけじゃないだろう?」みたいに言われる場面がありましたが、私には顔だけのようにしか思えなかった......。
ただ、バトラーのキャラクターはとても魅力的で、あんな風なのにめっちゃ子煩悩というギャップには萌えた。というかむしろスカーレットの被害者の会である周りの人々に共感する映画なのかもしれん。しかし馬で柵越えようとして吹っ飛ぶシーンは笑っちゃいけないけどちょっと笑っちゃうやん......。

人種差別の件に関しても酷いなぁとは思うけど、当時の感覚だと作中で黒人が酷い目にあっていないだけで反差別的なつもりだったのかな......という感じ。
全体にすごいとは思うし愛されるのもわかるけど私は好きじゃなかったなぁ......。
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