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悪は存在しないのMKのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
2.5
evil dose not exist、悪は存在しない 

自分の知識でレビューとか俯瞰できるような作品ではなかったので、観たままの感想を記録。
  

とある抽象画に『悪は存在しない』というタイトルが付いていて、あとはタイトルを頼りにその抽象画と対話するかのようひと時だった。

圧倒的な存在感の森や山々と共に暮らす色々と忘れてしまうタクミ。そんなタクミは今日も薪割りや水汲みよりも大切に思える何かを忘れる…そんな挙句の山中での女ハナとのやり取りや母親の不在。

安穏とした大自然のなかの集落に突如として突きつけられ、押し付けられた資本主義のいう名の善と、原理主義としての悪…悪に苛まれる資本主義の上流にいる人々。

無節操で乱暴な共感やエゴ、自然の荘厳さと怖さ、野生動物と人間、親子にとっての善悪や死生観…ラストにはそんなものたちが錯綜していった印象…

登場人物の全てに悪は存在しなかった?

心に生まれるもの、時間と共に鈍磨してちったもの、既成概念として存在するもの、本能的なもの…

タイトル故に悪の所在を模索するような時間は実験的にも感じだけど作品の在り方としては受け止めることができた。

しかしラストは難解というかなんとも独創的…咀嚼するにしても時間がかかりそう。

大自然のなかでのアンビエントでミニマルな世界観はモガリの森と見終わった後の感覚が似てる。。

花ちゃんこと西川玲ちゃんはとっても存在感のある子役さんだった。
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