小川勝広

悪は存在しないの小川勝広のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.6
OPから、

真仰り、

ま俯瞰の反対で、

木々の移動カット、

美しい。

だるまさんが転んだは、
コクトーの『オルフェ』の、
空間のあっちとこっちを感じさせる。


今回もアイデアいっぱいの、
シークエンス、カット、芝居が、
展開していくのだろう・・・
違った。

説明会以降の在り方。

10年程前のアカデミー外国語映画賞の、
ロシア映画の英題が、

『Leviathan』


昨年ようやく翻訳版が出版された
【万物の黎明】でも、
ホッブズのLeviathanも、
21世紀の現代には通用しないんじゃね?と、
言及している。

これらLeviathanの神話というか、
説話、思考が地続きであると解釈できなくもないが、

それほど便利な魔法のようなものではないのと、

その流れでいくなら、

芝居や描写、
特にフォーリーのアプローチが違う方法はなかったか。

青き衣を纏いて金色の野に降り立つ、

のか、

違うのか、

清浄の地に導いたのか、

どうなのか。

この流れでいくなら、
他の登場人物にしても、
存在が本質を越えていくような展開・・・

は長くなり過ぎるのと、
難解になり過ぎるのを避けたのか・・・

タイトルを、
『巧と花』とか、
『ある町の物語』にするなら、
このままでいい、
が、
悪は存在しない、
と風呂敷を広げるなら、
閉じた上で、
解釈は観客しだい、
が好ましい。

閉じずに、
表現しないで、
解釈は任せます、
は、
好ましくないが、
上記のアプローチから、
変えないと難しいが、
それも選択しないだろう。

満席なのは素直にうれしかった。

【蛇足】
小3時の遠足、奈良公園。
クラスメイトが足元から鹿に角で突き上げられて、
50センチほど空中に浮いた。

シカはヒトを襲う。

クラスメイトは無傷、
アクは存在しないのかもしれない。