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悪は存在しないのyukosfilmarksのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

一回目観賞後の感想:
数分間ひたすら木々を見上げる格好で前進して撮ったり、車の進行方向とは逆方向をブレブレで撮ったり、カメラワークが独特。美しい音楽が突如ブチっと切られる不穏な感じ。ストーリーは、とにかく(故意的に?)リズムが悪くて、間延びするシーンと早すぎるシーンとが入り混じる。伏線はって回収せずに終わった感じ。登場人物の感情が無に近い、終始違和感。

見終わった直後の感想は、「え?」
理解するのに少し時間が必要なのかも。

二回目観賞後の感想:
今度は細部までこだわり抜かれた各シーンの撮り方や音楽の美しさに惚れ惚れしながら観賞。カメラ目線のシーンが印象に残る。わざとゆっくりなテンポは自然の中での暮らしのテンポなのかもとか、車の後部をブレブレで撮ったのはその土地の地形がよくわかる撮り方だったのかもとか、観終わった後によく考え抜かれているなあと感動。母親が少し前に亡くなっているということを示唆することの重要性も二回目にやっと理解。そして、最後のシーン。妻を亡くして鹿のように無感情になった主人公が、唯一感情を爆発させたのは子供が傷つけられた瞬間。これが報復の意味を孕むのかどうかは謎のまま。
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