Jun潤

変な家のJun潤のレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
2.6
2024.03.19

間宮祥太朗×佐藤二朗。
脚本は『半沢直樹』『下町ロケット』などの日曜劇場常連の丑尾健太郎。
予告の段階ではミステリーなのかスリラーなのか、はたまたビビりちらかしてくるホラーなのか判断がつきませんでしたが、どうかビビらせてくることがないようにと願いを込めて今回鑑賞です。

動画クリエイター“雨男”こと雨宮は、マネージャーの柳岡が中古の一軒家を購入しようとしていることを知る。
その家の間取りが「変」だと言う柳岡の言葉から、懇意にしている建築士の栗原にその家の間取り図を見せた。
すると、その家の一階部分に、リビングとキッチンを隔てる奇妙な空間と、二階部分には窓がなく、トイレが備え付けられていて、2枚のドアを通らなければ入れない子供部屋があることに気付く。
また、柳岡がその家の購入を断念したきっかけでもある、近くの林で発見されたバラバラの遺体のことで、この家が殺人のために建てられたのではないかという仮説を、雨宮と栗原は導いた。
この「変な家」について調査を進めていくと、バラバラ殺人事件の被害者の妻を名乗る柚希という女性が雨宮に近付く。
柚希の正体と、「変な家」の真相は、深く関わっていたー。

これはどうしたことか。
誰に何があったら今作になるのだろうか。

現代社会に潜む系のスリラーとして観ても、古の風習から繋がるトラディショナル・ホラーとして観ても、考証するには穴が多過ぎるし、キャラ相関も描写だけでは繋がらな過ぎるしで、完成度が低いとはまた違う意味で見るに堪えないと感じました。

BGMやSEのオンオフ、手持ちカメラによるブレ感と画質の荒さなど、怖い感じの演出は結構良くできていただけに、その先の演出に繋がるストーリーやキャラクターがちゃんと仕上がっていなかったのでビビろうにもなんか、冷めて観ちゃったかな。

おそらく、隣の家とか、もしかして自分の家の間取り図をよく見ると変な風に感じませんか?的な切り口で始めて、そのまま描いていけば余計なノイズも発生させずにある程度の作品までは仕上がったんだと思います。
そこに謎の薬品投与だー、凄惨な事件だー、田舎に伝わる変な信仰だーで話を進めていこうとしたから、結局最初の切り口がよくわからないことになるし、整合性も合わなくなっていったんだと感じました。
とはいえ最初から田舎の風習を起点にした現代にも残る悍ましい儀式などから始めたとしても、キャラクターとか、外観の割に家の奥にめちゃくちゃ広い空間あるじゃねーかとかの違和感が発生せざるを得ない気がするので、結局このぐらいの作品にしかならないのかなと。
Jun潤

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