お腹すいた

赤と白とロイヤルブルーのお腹すいたのネタバレレビュー・内容・結末

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

開始早々ウェディングケーキまみれになる主役のアレックスとヘンリー王子の2人がとっても可愛いくて、掴みはばっちり過ぎ。私自身もこの愛すべき作品に心をわし掴まれた。

原作はぶあつい小説で、2人の馴れ初めや愛を深める日々がとても丁寧に描写されるらしくぜひ読まねばと思った(これから買います)。映画でもそのあたりがさらりと触れられるけど原作はもっと丁寧なのね、Netflixで連ドラで作ってくれないかな?

この手の、最近増えつつある男性同士の恋愛を描いた映像作品としてとてもエンタメ性が高く、キスシーンやベッドシーンが多いので小さな子供には見せられないけどレーティングの16歳以上なら男女問わず楽しめるようになっていて良いなと感じた。

とても繊細で思い詰めがちなヘンリー王子、とにかくイケイケで前向きなアレックス、まるでそれぞれの国を具象化したような性格の2人が対照的で、でも(出会った時の最悪の誤解が溶けてからは)必然のように惹かれ合って、進展していくのがとにかくとーっても尊かった。

例えば日本でこういう作品を作ろうとすると、終盤の選挙シーンは主人公の母親は再当選ならず落選、現実はそんなに甘くありませんでしたとなりもちろん2人も別れる事になりそのうちそれぞれ互いに、【世間※】の求めるように異性の相手と結婚してそれっきり、「けっ、つまんねーの。作品の中でくらい好き勝手夢見させてくれ」と冷めるんだけどこの作品はとにかく「こうなったらいいな」と優しい理想が積み重なって、当選が果たされ本当に良かった。 ※恋愛は異性同士ですべきという排他的で時代錯誤な考えを強固に持つ古臭い人たちの事

途中、ヘンリーがこのままアレックスとの愛に溺れてはダメだ祖国と自分の身を置かれる立場が許さないと自分の殻に閉じこもろうとするシーンは英国の歴史を考えても、そうだろうなと思わされ見てる方もつらくなったがそれでも、ヘンリーを諦めたくないアレックスのおかげでまたお互いに向かい合うようになるのが特にとてもよかった。普通ならあそこまで冷たくあしらわれ、傷つく事を言われ続けたら「もういい!」となりそうだけど、そうさせずヘンリーをそれごと受け止めようとして結果、受け入れられたアレックスの包容力がまた素晴らしいね、本当にこの2人はキャラクターが魅力的過ぎる。

続編はあるのだろうか? 互いの国が2人を認めて大っぴらにくっつけたとしてもさまざまな問題があるからそれを題材に続けられそうな気はする。単に、晴れて恋人同士になれただけではなく結婚するにはどうするのか、とか、そんなテーマでまた波乱万丈な物語が作られてもいい。

プライベートジェットがプライベートな事に使われまくるの笑った、けど本当のお金持ちは確かにプライベートジェット使いまくっているのでリアリティがあるといえばあるのか。

見終えて、とても心があたたかくなる作品だった。またこの2人組の続編を見たいなぁ。