小枝

ザ・クリエイター/創造者の小枝のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なるほど!面白いっちゃ面白いし、面白くないっちゃ面白くないな!渡辺謙渋くて最高だった。

設定とキャラクターアークがずっしり重いのと、J・D・ワシントンの演技がめちゃくちゃ良いので彼が語ったりするシーンには迫力と求心力があるんだけど、変な思いつきみたいな突飛な行動を元に大事なシーンが構成されていて感情移入の隙がない気がした。

アルフィーは最強のAIだから、いわゆる天才であって、複雑で無数の演算の結果行動を決める(と思う)訳だけど、ややバカっぽく”所詮子どもの行動“のように描かれていた。あまりキャラクターアークにケチつけたくないけど、もっと最強AIが故の行動理由という過程を可視化して欲しかった。善悪の判断ができていないという理屈もあるだろうが、機械の操作については適宜良いタイミングで出来ていたので、なにが最適行動かを理解するような描写が無いのが、あと一歩感を加速させていた。明確にん?と思ったのはアルフィーがマヤの記憶チップを持ち帰る行動で、これはどういう気持ちで行ったのか不明なのがラストの感動さえも減衰させている。子どもが普通に母親の死を悲しむのなら、記憶チップよりも目の前のボディに意識が向くと思うし、ボディの損失を悲しんでいないのなら、ボディの前で涙を流すような行動は取らないはずだから。少しちぐはぐだなと思った。
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