りょうすけ

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のりょうすけのレビュー・感想・評価

3.8
「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」公開前の2019年に制作されたクエンティン・タランティーノについてのドキュメンタリー映画。「レザボア・ドッグス」から「ヘイトフルエイト」までの8作についてが各作品の出演者に加えてタラの他作品に出演した人たちの口から語られる。8作だけでなくタラが携わった「ナチュラル・ボーン・キラーズ」や「トゥルー・ロマンス」についても観てることが前提で語られるため、少なくともこの辺は鑑賞した上で観た方がいい(自分は「トゥルー・ロマンス」未見)

非常に愛があるドキュメンタリーだと思った。過去の出演者たちがタラ作品への愛を語るのはとても微笑ましいし、1作1作を丁寧に扱ってくれるので、伝説的な初期2作と他の作品の比重が偏ってしまうことがないところに平等を感じた。それに加えて今までそれほど好きとも思ってなかった「キル・ビル」や「デス・プルーフ」のついてももう一回観てみたいという気持ちにさせられる。

またタラ作品への愛を語るだけでなく、タラの映画を配給してきたミラマックスとの問題についても扱っていることでただひたすらに褒めるだけでないという姿勢を見せていた。まぁこの問題に関しては非常に難しい問題だし、タラファンとして少なからず気にしていたので、最終的にどういう流れがあったのかについて知れたのはよかった。

(ここからは内容含む)

語られた内容の中でも、「レザボア・ドッグス」の耳のシーン、スパイク・リーが「ジャンゴ」を嫌厭していた話、またそれに対するジェイミー・フォックスの頑固爺さんのモノマネ、「ヘイトフルエイト」のカート・ラッセルのモデルがワインスタイン、レッドアップルと作品同士の繋がりについての話は凄く勉強になった。これらの話は全く知らなかったので、単純に作品の情報が補完できたし、いつか来るであろう新作の準備にも繋がった。
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