「トラペジウム」
賛否両論の作品だったが、大学の映画仲間が、凄く良かったとのことだったので彼女と鑑賞してきたけど、なかなかにグロテスクな作品だった。
主人公が策士なこともあり、どうしても性格が悪く見えてしまう(実際悪いけど)のは仕方ないし、共感できないと作品にのめり込むことは難しいのではないかと思う。
「推しの子」で描かれたのは、芸能界自体の闇だったが、本作はその部分はかなり薄めで、どちらかといえばアイドルグループの中で全員が同じ気持ちでやっていくことの難しさを描いていた。
某アイドルグループのように何十人もメンバーがいれば、2、3人抜けても支障はないだろうが、本作のように4人組かつコンセプトがあるグループの存続はなかなか難しいのだろうな。これはメンバー各々がアイドル活動に興味がある無しに関わらずだと思う。
主人公の性格にそこまで乗れないという訳ではなかったのだが、胃がキリキリするような作品だった。
本作の魅力としては、誰かを踏み台にすることはできず、足を踏み外したら自分まで落ちていってしまうという少人数グループの特性を描いていたことだと思う。原作者がグループアイドル出身だからこそ、描き出せたグロさなのかもしれない。