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BAD LANDS バッド・ランズのSSDDのレビュー・感想・評価

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
4.1
◼︎概要
特殊詐欺の片棒を担ぎ、通称三塁コーチと呼ばれるポジションの女は、出所したばかりの弟と様々な組織の間を糞溜のような中を走り回る…。

◼︎感想(ネタバレなし)
劇場予告で気になり観に行きたかったが、配信でようやく視聴。

期待以上にドープで現実的な底辺の世界観と犯罪者達を描き、詐欺グループについての描写はリアリティを感じる。

詐欺グループ、その末端よりも下のグループ、警察、ヤクザなど出てくる人数は多いのにそれぞれ少ない会話やシーンでキャラクター性が成り立ち、愛着を持てるのが素晴らしい。

明かされていく過去と進行していく複数の出来事が見事に展開されていき、集約していくのは圧巻でした。

どうしようもない無法者というのは世の中にいて、どうしよもなくなった人を食い物にされるという恐ろしさを描きながらも、人々を魅力的に魅せる手腕は素晴らしいですね。
ところどころキャストに驚けたりと、ストーリー以外でも楽しめました。













◼︎感想(ネタバレあり)
・オーナーの殺害
オーナーの父を殺害した時に全く弟を怒らないどころか、淡々と死体をどうするか話す姉弟に驚愕。
その後に姉の憎しみが語られ、その後の実父を過去にも殺しているという件には驚かされた。

弟の愚行や跳ね回り方に対して怒らず、割と淡々と対処するあたり、本当に腐れ縁でなんとか今まで生き延びてきたのだなと登場人物達の過去と関係値が練られているのが良かった。

・珍しく警察が有能
コミカルな部分を完全に担ってくれるホッコリ枠が警察。それでいて、ヤクザ側絡みでも資産家絡みでの圧力にも屈せずに進む有能さとか勧善懲悪になるとは想像していなかった。まぁ主人公は逃げ仰たが…。

研修生がオリンピック出るほどの射撃の腕前の掛け合いとか、突入前に謎の発声練習とか諸々笑わされた。

・人は人にしてきたことを返す
最も辛い時期に人はその人にされたことを返す、主人公は自分だけが得をしようとか切り捨てずにいたから弟も曼荼羅も応えてくれた。逆に高城は刺される。因果応報。

「ねぇさん、やっぱり男前やわ」と去り際に行ってたガサガサ声の男が言う通り主人公は強い生き物だった。
様々なトラウマになる出来事を乗り越えて、前を向き生きていける姿は力強く感じた。

安藤サクラさんだけしかキャストをしっかり見ていなかったので、弟が山田涼介さんで…あれ?おっと大丈夫かな?と思ったが甘っちょろさとサイコ加減が絶妙でコロコロと変わる態度もこういう人間いるなと恐ろしく思えた。どのキャストも素晴らしい演技だった。曼荼羅はカッコ良すぎたな。
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