椿本力三郎

BAD LANDS バッド・ランズの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
3.7
下流ビジネス、「オレオレ詐欺」の裏側など
現代的な社会問題を舞台にしたハードボイルドな作品。
銃撃シーンは、チョウ・ユンファ全盛期の香港映画のテイスト。

安藤サクラを見に行ったが期待以上の演技と存在感、
血のつながらない弟であり、バディでもある山田涼介とのコンビが非常に良かった。
山田涼介は、あのビジュアルで164センチというのが良い。
安藤サクラを前にして
色んな意味で背伸びしている感じが自然体で醸し出されていた。
現在進行中の所属事務所のスキャンダルがなければ、
マスコミも山田涼介の役者としての魅力を
もっと積極的にプロモーションできたのにとても残念。

本作のマイナス点として、まず尺が長すぎる。
それぞれのエピソードは必要であり、かつ魅力的ではあるものの、
全体で30~40分は短くできたはず。
あとは生瀬勝久。
どれだけ悪態をついても善人にしか見えない。
安藤サクラ、山田涼介、宇崎竜童の3人のバランスが良かった分、
「敵のボスキャラに生瀬」は明らかなミスキャスティング。
さらに早口の関西弁は、関西人の私ですら聞き取れないシーンが多かった。
これらがなければさらに高く評価できたように思う。
シアターで私の後ろの席に座った、おそらく山田涼介を見に来たであろう若い女性2人組は、
「前半寝ちゃったー」と言っていたが、わからなくもない。