みむさん

夜の外側 イタリアを震撼させた55日間/夜のロケーションのみむさんのレビュー・感想・評価

4.0
イタリア映画祭にて。

面白かった。55分 x 6のミニシリーズ一気見(途中休憩一回あり)、長さにひるんだがギンギンに目が冴えた。クオリティ高い。

1978年、アルド・モーロ元首相がテロ組織「赤い旅団」に誘拐殺害された事件を6つの視点から描く羅生門方式。救えたかもしれないモーロが死を遂げるまでを、内務省などの閣僚、赤い旅団、モーロの家族、パオロ6世と複数の視点で。

有名事件なので結末は知ってる人も多いだろうけどその経過が静かながら要所要所でスリリング。
アルド・モーロが主役っぽいが、実質主役は内務大臣(?)フランチェスコ・コッシーガなんじゃないかと思えるほど彼の印象が強い。
モーロを慕っているようでそうでもない素振りも見せるし、閣僚としての事件の対処と、国民の反応、自身の焦りでいっぱいいっぱいな様子が少ない動きや表情でも伝わってくる。

「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」で描かれたジュリオ・アンドレオッティも登場。モーロと対立関係だった彼の腹黒そうな雰囲気はやはり漂っていた。
あちらの映画ではトニ・セルヴィッロがアンドレオッティを演じて面白かったが、こちらではトニ・セルヴィッロはモーロの友人でもあるパウロ6世を演じてるのも興味深い。

史実を事前に予習して見たら最後に「アレ?」と思う演出があって混乱したがそれも含めて政治スリラーとして面白かった。