みむさん

Force of Nature: The Dry 2(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

4.0
期待どおり。ロバート・コノリー監督 x エリック・バナで映画化した「渇きと偽り」が面白かったので原作読んで、その勢いで珍しく続編は映画より先に原作を読んでいた。
原作にない要素も取り入れてちゃんと良いアレンジというか「やっぱりアーロン捜査官は…」と思ってしまうやつだった。

今回も自然が人間の醜い姿を浮き彫りに。
シリーズものだとアピールするためか副題に「The Dry 2」とついてるけど、前作と真逆で雨が降る森林が舞台。アーロンが捜査中のマネロン事件の重要人物アリスの行方不明の謎に迫る。
現在と行方不明になる前の状態の過去を軸に、アーロンの個人的な話が差し込まれる。
またしてもアーロンは来るべくしてここに来たのか…。

女性たちの研修キャンプ、窮地に立って仲間割れ、いがみ合い、動揺、子供のことにまで飛び火。ピンチで本性出ちゃうあるある(映像化するとこのあたりのドロドロ具合は薄れたかな)。
アリスはそもそも自己中だし嫌われ気味だし、殺される動機もあることはあるが、そこまでするような雰囲気でもない。

行方不明になったことによりさらに女性たちは動揺するが…。

失踪事件とかってこんな感じで起こるのかもね…と思わされる、意外と些細なことから事が大きくなっていくあの感じは地味だがリアル。
捜査する側にしても連続殺人犯が捕まってなければそれを疑うのも当然。

当初の捜査はどうなった?と思うとちゃんとそれも絡んでいたし、原作になかったアーロンの少年時代の出来事も描かれ、ストーリー自体は一話完結風だが、ちゃんと「続編」だなと関心してしまった。
尺が2時間でおさまってるのも良い。
前作のほうが面白かったけどこちらも良い。

それにしてもアーロンの半生もなかなか重たい。

ちなみに原作著者のジェイン・ハーパーが3作目を執筆中らしい。またロバート・コノリー x エリック・バナで映画化するかもね?