「マーシュランド」のアルベルト・ロドリゲス監督 x マリオ・カサス、アントニオ・デ・ラ・トレW共演なので観てみたらけっこう激しいスペイン警察暴走モノ。ゴヤ賞16部門ノミネート(うち2部門受賞)。
2020年のフランス映画「バック・ノール」と似てる。あちらは一山終わってからも見ごたえあって悲惨だったが。
1992年のセビリア(セビーリャ)万博を前に街に蔓延する麻薬とそれにまつわる犯罪を撲滅すべく警察部隊グループ7が動き出す。
オリンピックや万博、ワールドカップの裏には報道されないダークな部分や犯罪、市民の反対など問題山積なのはどこの国でもあるんだろうな。
さらにこのグループ7の4人のうち若手のアンヘル以外はもしかして皆フランコ独裁政権下でキャリアをスタートした?と思われ、仕事への姿勢・視点・考え方に微妙な違いが見え隠れするのも細かい演出だな。それを意図したかはわからないけど。
悪には悪で対するしかないという極論で突っ走る4人、実際に検挙率は高くても、果たしてそれは正義と言えるのか?若手は志高くても長きに巻かれてしまうのか?
正義を盾にやりたい放題だが、見過ごす政府も問題で、そりゃいつかこの暴走のツケはやってくるはず。
この映画はセビリア万博開催前の状況を描いたフィクションだけど、着想を得た実際のグループ、そのメンバー、警察汚職不祥事、裁判があったようだ。
犬がとんでもない目にあうシーンが一瞬だけどキツい。