ティンク

哀れなるものたちのティンクのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
『ハッピーエンド?』

色んな面で素晴らしいのに、とても評価を言いにくい作品。
「未来世紀ブラジル」を初めて観た時に近いかも。

ものすごく現実的でもなく。
ものすごくファンタジーでもなく。

(ビジュアルもセットも素晴らしいです)
(メイクも衣装も素晴らしいです)

今の世の中の現実のいろんなこと確実に主張しているし、でもありえないファンタジー要素も根底にあるし。

どんだけ観客に背負わせるんだよ!という感じ。

主演のエマ・ストーンの身体の張り方が半端ないです。
「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」でのレア・セドゥにしろ、本作でのエマ・ストーンにしろ、これだけ脱いでも性的興奮を感じさせない演技は素晴らしいです。

ウィレム・デフォーは、もう、普通の人間の役はやらせてもらえないんでしょうか。

マーク・ラファロも、今までのMarvelでの役柄をオールクリアする設定で、低能性欲キャラをバッチリ演じられて素晴らしかったです。自分より低能だと思っていた彼女がやすやすと自分を超えていったら、そりゃやられちゃうわな。

主人公ベラを通して、明らかに女性の解放を謳っているにも関わらず、ラスト、なぜかハッピーエンド感につつまれないのは、何か監督の意図があるんでしょうか。
どんだけ観客に背負わせるんだよ!再び。

個人的には、ラスト、ゲス元夫にヤギの脳ではなくて、ヤギの身体にゲス元夫の脳だったほうがよかったと思うんですが、どうかな。


(本作で、本作に関係なく一番おおっと思ったのが、日本の検閲。ここまでボカシを入れなくなったんだと思いました。モロ見えてるのにね)
ティンク

ティンク