アトミ

パラダイスの夕暮れのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

85点

早朝。
作業員達が出勤。
ゴミ収集車に乗り、ゴミを回収。

夕方。
車庫に帰社。

ロッカールーム。
大ベテラン(25年勤務)のニカンデルの相棒は我慢の限界だそうで独立考えておりニカンデルを誘う。

返事を保留したニカンデル。
帰宅しようと愛車のエンジンをかけるが、かからない。ボンネットを開け、エンジンルームをゴソゴソしていて左手に怪我をしてしまう。

スーパー。
カートを転がすニカンデル。
が、左手からちょっと出血。
レジの女性が気づき、手当してくれる。

夜。
英語教室から帰宅したニカンデル。
夜食をパパっと作り窓の外を眺めながら食う。

その頃。
レジの女性は同僚とクラブ。
が、レジ女性は無愛想で全く楽しそうじゃない。


週明け。
仕事の合間にレストランで昼食を摂るニカンデル(ビール飲んでる。アリなの?)
相棒は返事を急かす。
ニカンデルは運転手の他にも何でもやる!とヤル気満々。

午後。
ゴミ回収。
と、突然相棒が心臓発作で倒れ、死亡した。

夜。
BARでヤケ酒ニカンデル。
店員に止められブチ切れ。ぶち殴って無理矢理酒を飲む。
ガタイのいいコックに店の外へ投げ飛ばされるが、更にブチ切れでドアガラスをケリ割り、店内で暴れる。


翌朝。
留置所で目を覚ましたニカンデル。
仕事をすっ飛ばしてることに焦りまくる。
同じく留置されていた失業中のメラルティンという男(既婚者)。

ニカンデルは解放された後、会社に連絡。
メラルティンを紹介し仮採用となる。


翌日。
夜。
スーパーのゴミ回収をするニカンデルとメラルティン。
休憩中のレジ女性と目が合い挨拶。デートに誘う。明日20時迎えに来ると約束し仕事に戻る。


翌日。
仕事を終えて「用事あるから」とメラルティンに伝え、帰宅したニカンデル。

自宅。
と、呼び鈴。
メラルティンは遠慮もなく部屋に入ってくる。が、何かソワソワするニカンデルに察したのか突然帰る。

スーパー。
スーツでおめかししたニカンデル。
レジ女性に花をプレゼントし助手席に乗せる。

どこに行くかおまかせされたニカンデルは彼女をビンゴホールに連れて行く。
が、面白くない彼女は花を返し、店を出て行く。
追いかけるニカンデル。
彼女は「2人は合わないわ」とほっぺにキスし別れる。

自宅。
帰宅したニカンデル。
彼女を部屋に連れて来る予定でご馳走を準備していたのだった。
ワインをヤケ酒(あの時依頼)。料理をひっくり返す。


翌朝。
メラルティンに「うまくいったか?」と聞かれ「何がだ?」と不機嫌。ゴミ回収へ。

スーパー。
レジ女性は店長から不景気を理由に突然の解雇(2週間後)を言い渡される。
が、「明日辞める」と返答した。

バックルーム。
ロッカールームで着替えて帰宅しようとしたイライラレジ女性。
と、店長の机の上にあった小さい金庫(手のひらサイズ)をパクって帰る。

電話ボックスで電話をかけるレジ女性。
と、スタンドに給油に入ったニカンデルを見つけ、声をかける。
「すぐにどこかへ連れて行って」
ニカンデルは友人宅へ寄らなくてはならないと了承を得る。

メラルティン宅
ニカンデルは「金と着替えを貸してほしい。」と頼む。
メラルティンは妻に金を借りに奥へ入るが食費でギリギリ。娘の貯金箱からお金を借りてニカンデルに貸す。

ホテル。
シングル2つを借りる。
とりあえず着替えて食事へ。

レストラン。
無愛想なレジ女性に「つまらないか?」と質問。「今夜は満足。でも先はわからない。天気と一緒で気まぐれなの」と返答。
逆に「なぜ私と?」と質問。ニカンデルは「理由はない。あるのは繰り返しの毎日。喋り過ぎた」と返答。レジ女性は微かにニコリ。

ホテル。
2人は別々の部屋へ。
が、レジ女性はニカンデルが来ないかちょっと気になる。

その頃。
眠れないニカンデル。


翌朝。
レジ女性は金庫のロック解除にチャレンジ。
朝食を持ってきたニカンデル。道具を使って開ける。

海。
砂浜に座ってラジカセでラジオを聴く2人。
ニカンデルは彼女を押し倒しキス。

車内。
ニカンデルは大金が入ってるから返した方がいいとアドバイス。
彼女はクビになったのは今年で3度目。ムシャクシャしていたようだ。
「叔母がいるフロリダへ行こうかな。もう遅いか。今頃は指名手配かも」
ニカンデルは「俺が何とかする」と男気。
ニヤリと彼女。
とりあえずニカンデルは彼女のアパートに送る。

彼女のアパート。
「イロナ・ラジャマキさん?」と刑事。
イロナ(今頃名前判明)は観念。

その頃。
ニカンデルはスーパーで買い物。
しながらこっそりバックルームへ行き、金庫を返しトンズラ。

夜。
イロナは事情聴取。
「盗んでない」と説明。
が、当然信じてもらえない。
と、TEL。
イロナは釈放される。

イロナは荷物をまとめルームメイトに別れを告げアパートを出る。
ホテルへ泊まろうとしたが満室で断られる。

その頃。
イロナに会いにアパートへやってきたニカンデル。ルームメイトに「出て行った」と言われ、「なんでだ?」と腑に落ちないままアパートを後にする。

荷物を預けるイロナ。
車でイロナをニカンデル。

夜中。
イロナはニカンデル宅を訪れる。
ニカンデルは彼女にタオルとシーツを渡し、仕事へ向かう。


ニカンデルはメラルティンにイロナが今ベッドで寝ていることを話す。
メラルティンは「チャンスだ。行けよ」と答え、ニカンデルはすっ飛んで行く。

アパート。
イロナはニカンデルに名を尋ねたが答えなかった。
「来いよ」
ニカンデルはイロナとキス。


数日後。
イロナはアパレル店員として就職。

夜。
高級レストランへ行くが格好を見られ満席だと断られ、ドーナツ屋で満足。


翌日。
イロナの働く店に収集車でやって来たニカンデルがコーヒーに誘う。
イロナは「家で待ってて」と答えるとニカンデルは帰って行く。
と、店長にあのゴミ収集人は誰だ?と聞かれ咄嗟に「いとこ」だと返答。
「出入りさせるな」と厳重注意を受ける。

夜。
アパート。
料理を作るニカンデル。
1人になりたいとイロナは散歩へ。


翌朝。
収集車内で休憩中の2人。
メラルティンは今夜は子守りが来るから4人で映画を観に行こうと誘う。

夕方。
映画館。
イロナは現れなかった。

そのまま3人でBAR。
先にメラルティン夫婦は帰るがニカンデルは1人で項垂れる。


翌朝。
イロナ帰宅。
起きて待っていたニカンデル。
静かに「メス豚」とだけ伝える。
明日出て行くと言うイロナに「今でもいいぞ」と答える。

夕方。
「重病だ。胸がうずく」と傷心状態のニカンデルを仕事に引っ張り出すメラルティン。
ゴミの中にレコードを見つける。

ソニーのステレオを買って聴く。
街を散歩。
カフェでコーヒー。
久しぶりにビンゴホールへ。


翌朝
カフェ。
イロナはルームメイトにニカンデルことを「今更遅いけど悪くなかった」と話す。

その頃。
帰社したニカンデルとメラルティン。
ロッカールームでトランプ。
負けっぱなしだし、メラルティンには可愛い子供がいるし、子守りで付き合ってくれないし面白くないニカンデル。
やっぱりイロナと一緒にいたいという気持ちが強くなる。

翌日。
アパレル店の前でイロナを待つニカンデル。
イロナは店長と一緒に帰る所だったがニカンデルはイロナに話があると店長を先に行かせる。
「今から精神病院にいる妹に会いに行くがどうだ?」「関係ないわ」「そうだった。またな」
ニカンデルはタバコを投げ捨てて帰る。

精神病院。
庭のベンチ。
妹は久しぶりに兄に会えて喜んだ。
が、突然顔色が変わったのでニカンデルは妹を院内に送る。

夜。
レストラン。
店長と食事のイロナ上の空。
店長に聞かれ、以前ここへ来て門前払いだったことを話す。
支配人を呼んで入ればいいと答える店長に「無理よ」と答え「帰る」と店を出る。

その頃。
BAR。
酒を飲みながら1人ジュークボックスで音楽を聴くニカンデル。

その頃。
ニカンデルの部屋の呼び鈴を鳴らすイロナ。
出ないので合鍵で入る。留守だと気づく。
リビングにステレオ、レコード、ビデオデッキが散乱してるのを見てとりあえずレコードをかける。

その頃。
「カモが来た」とチンピラ2人がニカンデルを襲う。ニカンデルは殴られ気絶。

その頃。
いつの間にか眠ってしまっていたイロナ。
ニカンデルが帰って来ないので帰宅。


翌朝。
ゴミ収集車でやってきた同僚。
ゴミ箱近くでニカンデルが血を流して倒れているのを発見。

病院。
見舞いにきたメラルティン。
ニカンデルは検査がありすぐには退院できないようだ。
今、会社は同僚ミコゼルタが事故って仕事が忙しくなってるようだ。残業時給もまあまあだ。と。
メラルティンは何故イロナと会わない?と質問。ニカンデルはメラルティンに車で送って欲しいと頼む。

アパレル店。
ニカンデルはイロナに新婚旅行に行こうと誘う。了承する。邪魔しに来た店長を追い払うニカンデル。
「毎日イモ生活だ」
イロナはコートを取りに行く。

メラルティンが運転するゴミ収集車。
ニカンデルとイロナは船着場まで送ってもらい、旅に出る。






というお話。
このクソみたいに世の中に生きる希望があるとしたらそれは「愛」。イモ食えるだけで十分。それでいいじゃないか?
メラルティンは家族のために与えられた仕事を真面目にこなす。
彼らは今まさに「幸せ」なんだろう。
ラストの楽曲が最高。中だるみするけどちゃんと締めくくってくれます。

メラルティンが良い奴過ぎて最高。
なんで留置所にいたのかが不思議なくらい。
ニカンデルとイロナは世の中に対してひねくれちゃってるし
アトミ

アトミ