王冠と崑敏

ローマの休日 4K レストア版の王冠と崑敏のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

“Rome! By all means, Rome. I will cherish my visit here in memory as long as I live.”
「ローマです!なんと申しましてもローマです。私は、ここでの思い出を生涯大切にすることでしょう」

ものすごく久しぶりに鑑賞。
その所為か、只、忘れていただけなのか、或いは自分の映画の見方が変わったのか…こんなに面白い作品だったっけ?!と驚いてしまいました。

所謂、“過去の名作”にありがちな実際はそーでもないけど、周りがそう言ってるから、素晴らしいよねーと空気を読む的な忖度レビューをする必要が全く無い本物の名作です。

細かく上げるととんでもなく長文になってしまうのでやりませんが、兎に角、役者の表情が素晴らしい!!
アン王女/オードリー・ヘップバーン

ジョー/グレゴリー・ペック
の細やかな心情を伝える・伝わる表情の演技が感動レベルです。オードリーは最初は王室の人間として全く自覚の無い単なる少女(無理もない事ですが)でしたが、ローマで1人の大人の男性と一日様々な体験をして、少女から大人の女性として成長していく辺りの変化を表情と態度で魅せてくれます。

ジョーは、その王女を最初は、特ダネとして利用しようとしていただけだったのが、1人の男としての感情が芽生えてきます。最終的にアン王女も、自分の気持ちではなく、国民への責務を果たすことを選択してジョーの元を去りますが、アン王女が最後にジョー達報道関係者の前に鎮座された時に彼女を見つめる、ジョー/グレゴリー・ペックのその表情の素晴らしさはなんとも表現出来ないレベルです。そして、2人の休日が信頼の元に、秘密の永遠の思い出に昇華された事を踏まえて、冒頭のアン王女の台詞になります。

ラストシーン、王女達が去り、報道関係者達も居なくなってから、宮殿をジョーが1人歩いていく時のまあ格好のよろしいこと。男ならあんな風に颯爽として、やや哀愁も漂わせつつ振る舞いたいものですね。無理ですが(笑)

ハッピーエンドではないけれど、二人が結ばれないけれど、素敵な終わり方が用意されている作品です。俳優だけでなく、脚本家と監督に拍手喝采をお贈りしてレビューを終わります。

まだ観たことの無い方は是非御覧ください。
王冠と崑敏

王冠と崑敏