なんだか話がウマいこと行き過ぎてトントン拍子にステップアップしてゆく。
ニュルブルリンクを走ることになった時はさすがにひいてしまい、んなアホな！数々の惨劇を量産しプロのテストドライバーもビビってしまうあの悪魔のようなサーキットに、素人に毛が生えたような小僧が敵うわけわけないだろ！
…と思ってたらそんな意図を見透かされたように超ヘビィな悲劇が発生する。これはやられた…。
…と思ってたら割と復帰もあっさりしてて最終的にはろくに経験も積まないままル・マンって…おいおいいくらなんでもリアリティなさすぎだろ、実話を元にしてるっつったってどんだけ盛ってんのよ！
…と思って見終えた後でWiki調べてみたら現実の方がさらにその上をいくトントン拍子のワイルドスピードだったんで愕然としてしまった。これでも映画の方はだいぶドラマティックにアレンジした方なのね。うまくいきすぎるように思えたストーリー展開は映画の完成度として十分頷けるところなのかも。
でもやっぱり異例中の異例なんだろうな。もともと天才的なレーサーとしての才能を秘めていた人が実機に乗って開花されちゃったと言うべきなんだろうね。もっともこうした潜在的な天才を全世界から一斉に抽出するための手法だったとすれば想定内の成果だったのかもしれないけど。
作品としては迫力もありスピード感あふれるカットの連続で見どころも豊富だったんだけど、やっぱり昭和生まれの自分としてはレースというからには男と男が命を削り合う血潮ほとばしるクソ熱い人間ドラマが欲しくなってしまうところ。ネタは面白いけどドラマとしては物足りない印象がありました。
カメラワークと音響が秀逸だったので映画館で見たらもう少し印象が違ったかもしれない。
