運命の分岐で異なってゆくそれぞれの人生を描く…というあらすじをみて、てっきりオムニバス的に語られるのかと思ったら違ってた。ビシバシと画面転換を繰り返しながら同時並行で進んでゆくスタイル。
この分岐シーンが結構斬新で、一瞬何が起こったのか分からなかったんだけど、分岐してることに気がついてからはひたすらその技巧の鮮やかに見入ってしまう。今見ているのがどの世界線なのか、説明がなくても良く見るとちゃんと分かるのがだんだん楽しくなってくる。
ストーリー的にも、どの人生にも浮き沈みがあったり、辛い思いをしていても一生懸命頑張っていれば報われてくるとか、アクシデントにあってもめげずに尽くしていればきっといいことがあるとか、いいことばかりじゃなし、悪いことばかりじゃない、そんな人生讃歌を堂々謳いあげてるところがツボ。
見終えた後につい自分の人生を振り返ってしまう。
…と、どうにも残念な中年サラリーマンではあるのだが…でも何をどう振り返っても今よりマシになってる自分を全く想像できないから、多分全自分の中でも相当マシなほうなんだろうな…。どのみちどんな人生の分岐があっても、どの人生も未来へ未来へと進んでゆくんだよな、自分の人生が今どうであっても一生懸命姿勢を正して生きてゆくのが大事だよな、て思えてくるのもこの映画のいいところ。
色々考えさせられるし、そして心がぐっと前向きになれるような素敵な作品でした。
