8Niagara8

四月になれば彼女はの8Niagara8のネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

いささか演出が過剰に思いつつ。
カメラを向けることは眼差しを向けることである。そこから逃げ続けるのは彼の弱さである。目の前の人に向き合うことはない。
画面に蔓延るセルフィッシュはなかなか強烈で、人間の醜さを凝縮したような。

前半はなかなか良かった。弱い人間たちを見させられるのは嫌いじゃないし、理解が及ぶもの。
ただこれをカタルシスに導くかは難しいところなのか。そもそもそのしこりを解消すべきなのかも定かではない気もするし。
俳優陣のネームバリューがかえって足枷になったのかもしれない。原作は読んでないから分からないが。
後半はなかなかホラーで、特に取ってつけたような強引なハッピーエンドはきついな。寧ろ目を伏せたくなるような残酷さを残す。結局弱さを受け入れず、避けているのは変わらないように映る。
これが自覚的にやっている逆説的なメッセージ呈示ならばすごいんだけど、おそらく違うか笑。
中島歩が一番キュートで救い笑。彼にしか出せない温度感。
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