むらむら

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのむらむらのレビュー・感想・評価

5.0
「自業自得」

という言葉しか出てこない、降霊術にハマった若者たちが恐怖に陥るオーストラリア製ホラー。

どこかから仕入れた「霊能者の手」という特級呪具で呪霊に憑依され、SNSにアップロードするみたいなナメたことしてたら、そりゃ呪霊も激怒するっつーの。俺だって、あんなに頻繁に呼び出されたらブチ切れるわ。

そもそも人気YouTuberが制作したからなのか、

「パーティー好き」かつ「友達多め」

の連中しか出てこず、開始一分で全員死んでほしくなる。

ただ、一番のミソである降霊のやり方が、

「『霊能者の手』を握って『Talk To Me』と言う」

というシンプルなもので、90秒で手を離さないと取り憑かれる、という設定は上手い。手を離そうとしても離してくれない……って、誰でも共感できそうな身近な恐怖だし。握手会で稼いでるアイドルとかは、特に身につまされるんじゃないだろうか。

しかしこれ「霊能者の手」だったから怖いけど、

「霊能者のチ◯コ」

だったらどうだったんだろう。というか、この映画が大ヒットすれば

「霊能者のチンコを90秒だけみんなで握る」

設定のAVが出てきそう。リリースされたらレンタルするので、いやむしろ、霊能者役で机の下に隠れてパーツモデルとひて活躍するつもりでおりますので、メーカーの方がもしここを読んでいたら、ご検討よろしくおねがいします。

あ、男が握ってきた場合は、容赦なく頭を壁にぶつけてブチ殺すという設定はキープさせて頂きます。

パーティー陽キャが中心の話なので、登場する若者は多いが、話に関わるのは主に四人。

・どう考えても10代に見えない主人公の女の子ミア。母親を以前、亡くしている。霊に取り憑かれると、だんだん研ナオコに似てくる。

・ミアの友人のジェイド。この作品で唯一のマトモ女子だが、惜しむらくは、携帯の着信音のセンスが超絶的に悪い。

・ジェイドの弟ライリー。興味本位で降霊してヒドい目にあう。ヒドい目にあった際のメイクと演技は必見。

・ミアの元彼でジェイドの今彼のダニエル。あまり話に絡んでこないが、要所要所で「舐めプレイ」を強いられる、ちょっと制作者の性癖が垣間見えるキャラ。おそらく全身にバターを塗って撮影に臨んでると推測されるが、おつかれさま。

中盤以降、ついに呪霊が本気出してきてからは展開が早くて飽きさせない。ただ

「弟の入院してる病院、セキュリティ、ガバガバじゃね?」

とか

「霊って言うか、単なる下着姿のオバチャンじゃね?」

とか、そんなことを気にしだすとキリがないので、気にしないで鑑賞しましょう。あと、冒頭に出てきたカンガルー、物語に全く関係なかったよね!?

それより、俺的な発見は、オーストラリア人は、

「ドアは蹴破って入って当たり前」

だと思ってると確信した件。ちょっと簡単にドアを蹴破りすぎじゃない? と、ドアに同情したくなった。松原みきかよ。

振り返ってみると、一番怖いのは、

「90秒というルールは破る」
「友達の家族をメチャクチャにする」
「元彼の家に平気で泊まる」

といった傍若無人な振る舞いをしながら、後半終始絶叫する研ナオコだったかもしれない。

(おしまい)
むらむら

むらむら