パケ猫パケたん

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版のパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

5.0

【Seijun Resturns in 4K】㊗️🎉より

鈴木清純、浪漫三部作の一作目

ジャケットと同じ、A2のデカいポスター
ゲットしたよ🐱🎊

4Kにリマスターされたので、半永久的にこの映像美が保存されることを、祝いたい㊗️


『ツィゴイネル・ワイゼン』🎻🥏🌸
  (1980) 🇯🇵日本  144分


●スタッフ

監督 鈴木清純
脚本 田中陽造
原作 内田百聞
   (小説『サラサーテの盤』他)
撮影 永塚一栄
照明 大西美津男
美術 木村威夫
   多田佳人
音楽 河内紀
製作 荒戸源次郎


●キャスト

原田芳雄   (中砂糺)
大谷直子   (中砂園、小稲の二役)
藤田敏八   (青地豊二郎)
大楠道代   (青地周子)
麿赤児    (先達)
樹木希林   (キミ)
真喜志きさ子 (病床の妙子)
#木村有希  (盲目の美少女)

#芸名が変わって、現在は古館ゆきさん
因みに、ゆきぽよ👱‍♀️✨たんの芸名も木村有希さん(^_^)/


●映画の概略

鈴木清順監督作品
日活解雇(1968)から、松竹で一本撮ったものの、久々の復帰作で、「清順美学」が冴え渡る
原作小説は内田百聞の、「サラサーテの盤」他
「ツィゴイネル・ワイゼン」はサラサーテが作曲、そして演奏の、管弦楽付きバイオリン独奏曲
「ツィゴイネル・ワイゼン」とは、「ジプシー(ロマ)の旋律」との意味であり、ヨーロッパの被差別民の哀しみを奏でた、曲である

士官学校教授の青地(藤田敏八)と、元教授で無頼漢である中砂(原田芳雄)は、親友であり、美しい、青地の妻周子(大楠道代)と、中砂の先妻と後妻(大谷直子)を巡り、妖しい恋愛関係が展開される

生と死、記憶と空間、現実と幻想の間を行き来する幻想的な映画である

ベルリン映画祭審査員特別賞 &
キネマ旬報年間ベストワン受賞作 🎉


●パケたんの徒然なる感想など
 (長いかも)

まず、「ツィゴイネル・ワイゼン」のレコード音から始まる レコードがまるまる冒頭から出てきて、『いとこ同士』や『死刑台のエレベーター』が脳裏に掠めてくる
まるでヌーヴェル・ヴァーグ、いや実際になかなかの、美的かつ実験的な映画であった

そのレコードの音の終盤に、奏者サラサーテの話し声が入っている なにを話しているのかは、分からない、最後まで分からないのであるが、なかなか不気味で、黒沢清などの、現在のJホラー👻にも通用する怖さがある

映像は、極彩色の美に溢れていて、散り際の桜吹雪や、鎌倉の切り通し、森の中、閑静な和館・洋館、茅ヶ崎の海岸、モノクロ映像、闇夜に訪れる美女とその後ろ姿など、眼福の極みであろう
まるで、フェリーニ

また、人間関係もドロドロしており、
男二人に女が一人、その様々な三角関係において、恐らく女は両方の男と通じている((( ;゚Д゚)))

そのドロドロ関係は三人のメクラの門付芸人も、同じであり、諧謔調の演出が、物語全体としての悲劇の前置詞的な、様相を呈しており、三部作の中でも、この諧謔演出は秀逸であった

次に、環境音は一切廃しており、シャカシャカする楽器の音や、突然なる梵鐘の音色が癖になる

カニが、女の水死体を食らって、余計に赤くなる所なども、また、ホラー👻であり、盛者必衰みたいな怖さ、北野武(『首』とか)にも通じる非常さを感じる

大谷直子の二役が見事で、後ろ姿は両役柄とも艶やかなのだが、
芸者上がりの小稲は、白きエロスが燃えたっており
また、山陰出身の娘、園は控え目ながらも、紫色みたいな妖艶さが出ている

園と青地が結ばれる夜など、確かに人妻が化ける月夜など、狐につままれたような感覚で、妖しくドキドキしたわ
この映画📽️でも、赤い提灯🏮の点滅など、素晴らしく幻想的

また、男ども、中砂と青地は、先に死んだ方の骨を標本にすると密約したりして、薔薇の香りが隠し味になってるかと
危ない危ない((( ;゚Д゚)))

洋服のアラサー、アラフォー、青地周子もキレイな服が似合っており、あぁこれがモダンガールか、モガかよ~って感銘を受けた😻(あぁ大正期🎵)
そのモガたん、ボブヘアーのルイーズ・ブルッグ似たんも、結局、黒いマントの
「吸血鬼ドラキュラ」或いは「吸血鬼ノスフェラトゥ」な中砂に食べられる😋運命とは、何だか諸行無常で、エロくて😻、サイレント映画にトリップする気分🚀🎀
ドラキュラ説の証左としては、中砂糺は、変な病を連れてきて、園を病死させてしまう

まぁ、最後の方は、文体が変に成ってしまったが、弩級に優れた、怪奇映画👻である事には間違いないよ、旦那

最初の部屋に、「竹久夢二」の美人画が飾ってあった事に、また、驚いた
((( ;゚Д゚)))
三部作は見事に円環しているってこと

◯△□(まるさんかくしかく)
そして、周子さん


KBCシネマ🎦 (聖地枠)
シネマ2

2024ー08ー07