さるやん

夜明けのすべてのさるやんのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.8
こんにちは。
さるやんです。

最初、邦画の悪い癖でやはり、イケメン、美女のキャスティングで萎えるなと思って敬遠してたものの、
filmarksのご覧になった方のレビューの高評価と、友人の一人であるハルくんの猛烈なプッシュにより鑑賞することに。

レビューに入る前に、先日、YouTubeを見ていてふとしたことから汚言症という症状をもつゲーム配信者の方を認知しました。
まったく聞き慣れない症状でしたが
なんと、卑猥な言葉や、罵詈雑言を自然に発してしまうというなんとも気の毒な症状。
そんな馬鹿な!と思いますが、よくよく考えると人間はあくびや瞬きをしないようにすることは
不可能なのである日なにかのトリガーによって脳のコントロールが誤作動を起こしてしまうことはないとは言い切れません。

このように様々なまだまだ私達の理解が
たりない病気があるし、それがどのようにどんなきっかけでおこるのかはわからりませんし、私達が子供の頃には学習障害という言葉も存在しておりませんから、さぼりや怠けの、たぐいに数えられていたと思います。

今作品の優れているところは、パニック障害とPMSを主人公二人を軸にそれらに振り回される当事者もそうですが、
それらの症状を知らされていない周りの人たちの困惑もしっかりと描いているところです。

冒頭に上白石萌音扮する藤沢さんが社内の上司に外側からみるとあまりにも理不尽な怒りを爆発させる場面があります。
さすがにこれはやられたら、びっくりしちゃうわーと、思いました。

藤沢さんは新入社員で入社したということだから、入社試験に不利なPMSのことは黙っていたんだと思いますし、自分でもそうするだろうなと思います。

その失敗を踏まえて新しく、症状に理解のある会社に転職し、ひょんなことから八つ当たりした山添くんにもパニック障害があり、ほかの会社から転職したことをしります。

ここでも二人のやり取りがまた興味深く、同じ悩みを持つ者同士頑張ろう、という藤沢さんに対していやいや、同じじゃないですから、と、俺のほうが大変だよとマウント。

この辺の病気の、大変さは自分しかわからないんだよ、というところもなるほどと思ったし、逆にそこをちゃんと説明しないといけないんじゃない?とも。

そうこうしていくうちに、二人が打ち解けて、また新たに人生の帰路を見つめ直すタイミングがきます。

そこで、彼らが務めている栗田金属が手掛けている簡易型移動式プラネタリウムと夜明けのすべてというタイトルが長く苦しい夜を人生の苦しみと、そしてゆっくりと開けていく希望の朝に重ね合わせて進んでいくさまがジンワリとですが感動を誘います。

物語の中で親族を自死でなくした親族として光石研さん、渋沢清彦さんはじめ、周りのサポートがあってこそ未来の明るさを信じられるというところも共助という、いまの災害等が多く見受けられる日本において大切なことも描かれてたのもよいですね。

主演の二人、とても人気があるかたながらその気配を消して病気に悩む一般ピープルを演じていて好演でした。

ちなみに、私も片付けが苦手だったり、人の話に割り込んでしまったり、思いつくとすぐ行動してさしまったり、ADHD傾向が強いと思いますし、それて注意されたこともたびたび。

マイナス面は反省しつつ(なかなか治らないけど)プラス面を楽しもうと思っております。
さるやん

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