はるかわ

夜明けのすべてのはるかわのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
5.0
洗車も給湯室もニワトリさえも美しい。
きっとこの映画の作り手は、自分が切り取った映像よりも、切り取られる前の世界の方を愛している、だから、すべてのショットがこんなにも優しく力強いのだと思う。

「自分の苦しみはどうにもならないけど、隣の人の苦しみなら和らげることができる」
そして、誰かを励ませるという事実に自分自身も励まされ、肯定されていく。
この2人の幸福な関係が、それでも軽やかに移ろいゆくというのが、三宅唱らしくて本当に素晴らしい。「一時期、同僚だった人」で十分。親や恋人や親友である必要はない。

「追いだき押すだけ…!」こういうささやかな描写にクスッときながら、子持ちはおおいに救われています。ありがとう。この映画の放つ優しさのすべてに感謝。
はるかわ

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