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夜明けのすべてのragaのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.5
人は皆、完璧な生き物ではない。何かしら心身にかけているものがあり、それを怪我や障碍、病などの言葉によって区別、判別しようとする。しかし、その言葉にもグラデーションがあり、人は思い込みによって見誤ってしまうかもしれない。今作はメンタル面での当人の葛藤や同僚たちの助け合いによって病を克服するのではなく、どう付き合っていくのかが問われてくる。惜しむらくはその当人である山添(松村北斗)や藤沢(上白石萌音)の苦しみを理解できない人が現れない、登場人物すべて良い人というリアリティの欠如がもどかしい。こんな快適な職場なんてあるわけないでしょ、というと身も蓋もないが、精神を患う人を蔑む人もまた、言葉で表せない心の疾患があるのだ。そこに “夜明けのすべて” という主題が込められていると感じる。もっと脚本を練り直す余地はある。良い作品を作る意味で原作改変はあっていい、むしろあるべきである。
主演ふたりの演技は印象に残る。さらに大川景子の編集が良い。今後の活躍に注目したい。
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