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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいのragaのレビュー・感想・評価

4.5
子供は可愛い。その反面優しくない言動を振る舞う。
住まいが流転する9歳の少女ベニーは怒りのコントロールができず周りとのトラブルが絶えない。大人たちのベニーに対する愛情や倫理観を礎にした救済は、喜びや感謝という応えだけではなく、独占欲やわがままによって翻弄される。そこに周囲は忍耐を必然的に試される。ここで心が折れそうになる大人たちは無責任なのか。そうではない。この苦悩に胸締め付けられる。良いテーマなのだがラスト場面がよろしくない。決して明確な指針はないにしろ一縷の光明を表現する帰着が欲しい。むしろそこにカタルシスが宿る。
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